2009年9月 | 太陽光発電 何でも情報


2009年9月

サンテックは2009年に太陽電池世界一メーカーに

2009年09月01日

エコロジーオンラインサイトの8月21日記事「サンテック・パワー Qセルズ抜き、太陽電池世界シェア1位へ」から。

米調査会社・アイサプライは、中国の太陽電池メーカー「サンテック・パワー」が、太陽電池生産世界首位のドイツ・Qセルズを抜き、世界最大の太陽電池メーカーになるとの予測を発表した。

アイサプライの報告では、サンテックとシャープ、インリー(中国)、JAソーラー(中国)の4社は、景気後退にも関わらず増産を続けており、シェアの拡大を図っていると指摘する。世界シェアトップへの返り咲きを目指すシャープと、一気に勢力拡大を狙う中国メーカーの並々ならぬ意気込みを感じる。

しかし、スペインにおける電力の固定買い取り価格の見直しが引き金となり、現在の世界の太陽電池市場は供給過剰状態だ(*)。2009年の太陽光発電パネルの生産は、2008年の6.5ギガワットから14.3%増の7.5ギガワットになると予測されるが、実際に設置されるのは3.9ギガワットと、約半分が在庫になる可能性が高いという。

アイサプライ主席アナリストのヘニング・ウィッチ氏によると、「在庫過剰は、太陽電池ビジネスに長期的な影響を及ぼす見込みで、この状況は2012年まで続くだろう」としている。

(*)2007年にフィードインタリフを導入したスペインでは、破格の電力買い取り価格を設定したことで、太陽電池の需要が急激に拡大。翌年、政府は買い取り価格を引き下げたため、同国からの発注は激減した。世界中の太陽電池メーカーは過剰在庫を抱えてしまっている。(C)エコロジーオンライン

この記事には2つのニュースがある。一つは、タイトルのとおり、中国の太陽電池メーカーであるサンテック・パワーがドイツのQセルズを抜いて世界トップの太陽電池メーカーになる、との予測だ。この予測は米国のアイサプライ社の調査とか。ただ、この引用記事では、いつトップになるのか、という極めて重要なことが書いていない。そこで元記事のHalf of All Solar Panels Made This Year Won’t Be Installed in 2009を読むと、「2009年」であるということがわかった。

もうひとつの興味深いニュースは、引用記事最後の(*)部分だ。スペインは2007年に固定価格買取制度(FIT)を導入し破格の電力買取価格を設定。そのため太陽電池の需要が急激に拡大した。ところが2008年、スペイン政府はその価格を下げてしまったため同国の太陽電池の発注は激減し、世界中の太陽電池メーカーは過剰在庫を抱えている、とのことだ。一国のFITの価格設定で世界中の太陽電池メーカーが需要の急激な増減に直面しているとは極めて面白いニュースだ。その予測では過剰在庫は2012年まで続くとのことなので、新技術による太陽電池の新製品はその後、となると私は思っている。

太陽光発電システム周辺機器の動向

2009年09月02日

今日は太陽光発電システムの周辺機器の話題。9月2日付の朝日新聞サイト記事「電機・機械メーカーなど、太陽光発電を高効率化-周辺装置相次ぎ投入」から。

電機メーカーや機械メーカーなどが太陽光発電システムの発電量向上につながる製品やサービスを相次ぎ市場投入する。
...
三菱電機のパワーコンディショナーの電力変換効率は97・5%。出力100キロワットの従来品と比べ1・5ポイント高めた。海外で需要が増えている大規模発電向けに売り込む。OKIは同10キロワットのパワコンを10月に発売する。太陽電池パネルの定格出力に対して半分の出力でも90%以上の電力変換効率を確保し、発電量の低下を抑えた。OKIにとって太陽光発電用パワコンは初めて。12年度に売上高100億円を目指す。

ナブテスコと大同メタル工業は太陽の移動に合わせてパネルの角度を自動調整する追尾装置を開発中。パネルを太陽に対して常に最適な向きに保つことで、20―40%の発電量の向上が期待できる。11年前後の製品化を目指すナブテスコは、産業用ロボットの関節に使われる減速機を応用、パネルを高精度に位置決めできる。

国際航業は上空から日照や屋根の状態を計測し、パネルの最適な設置位置や方向を分析するコンサルティングサービスを始めた。分析データを基に発電ロスがない施工を支援する。

政府の補助金復活が追い風となり、国内では太陽光発電システムの需要が急増。家庭用では三菱電機が前年の2倍、三洋電機が08年秋の50%増のペースで販売量を伸ばしている。さらなる普及のために太陽光システムの発電効率の向上が求められており、高効率化につながる周辺装置の需要も高まっている。 (C)朝日新聞

三菱電機のパワーコンディショナーは「業界最高の変換効率」とのことで来年10月発売とか。変換効率を1.5ポイント高めた製品とのことだ。たかが1.5ポイントと思うなかれ。100%に近づけば近づくほど変換効率を高めるには大変な技術力が必要なのだ。そもそも変換効率100%は無理であり、太陽光発電を効率よく使うには直流で使用すればよいが直流の民生用電気製品の登場までは現実的ではない。

ナブテスコと大同メタル工業の太陽の追尾装置はユニークだ。ただ、「20―40%の発電量の向上が期待できる」とあるが、本当だろうか。また、少なく見て20%の発電量の向上による売電増分に見合う製品価格なのかが気にかかる。

国際航業の、上空から太陽光発電を分析するコンサルティングは極めてユニークだ。ただ、大規模システム向けではあるだろう。

記事の最後にあるとおり太陽光発電システムは需要が急増している、太陽光発電の追い風に乗ってこのような周辺機器の売り上げも増え、高性能の新製品や新しいアイデアの商品の登場が期待できる。

パレスチナに大規模太陽光発電設備設置

2009年09月03日

9月3日付の東京新聞記事「太陽光を和平構想に活用へ 日本政府、パレスチナで」から。

政府は3日までに、日本のパレスチナ和平支援構想「平和と繁栄の回廊」の中心事業としてヨルダン川西岸のパレスチナ自治区エリコ南部に建設予定の農産業団地に、太陽光発電施設を設置する方針を固めた。政府関係者が明らかにした。イスラエル、パレスチナ双方が経済開発に関与することで和平プロセスの推進を目指す事業に日本が先進技術を提供、和平と温暖化対策の「一石二鳥」を狙う。

パレスチナ自治政府は10月にアッバス議長の訪日を計画しており、日本側が首脳会談で正式にこの計画を伝える可能性もある。実務レベルでは既にパレスチナ側から了承を得ており、政府は早ければ本年度末に設置作業を始めたい意向だ。

関係者によると、パネル50枚などからなる発電装置を66セット設置。発電能力は年間約960メガワットと試算され、温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の削減量は年間約670トンの見込み。発電装置はパレスチナの電力会社が管理運用する。

エリコは、日照時間が長く、太陽光発電に適しているとされる。(C)共同、東京新聞

日本のパレスチナ和平支援構想「平和と繁栄の回廊」の中心事業としてヨルダン川西岸のエリコに、太陽光発電施設を設置するとのこと。発電能力は年間約960メガワットと、ほとんどギガワットの大規模太陽光発電施設だ。記事にもあるとおり、「日本が先進技術を提供、和平と温暖化対策の一石二鳥を狙う」とは思うが、腑に落ちないことがある。

大規模設備のようなので費用はかなりの額に上ることが予想される。日本はいま自民党から民主党へ政治が大きく移行する時期なのに、なぜ高額予算の執行を急ぐのだろうか。民主党から予算を削られる前に執行してしまえ、という思惑を感じるのは私だけだろうか。もっとも、設置場所が血に飢えた国イスラエルではなくパレスチナなので民主党も原則的には反対しないだろう。それなのに政府が予算執行を急ぐ、ということは、かなりうがった見方だが、この事業には日本の太陽光発電システムメーカーと政府に癒着があるのではないだろうか。

今日はほとんど政治ブログで、失礼しました。

京セラの発電状況モニタリングサービス

2009年09月04日

9月3日付の朝日新聞サイト記事「京セラ、グループ間連携促進し住宅太陽光発電を拡販」から。

京セラは2日、グループ会社間の連携を促進し、需要拡大する住宅用太陽光発電システムの国内販売網を拡充すると発表した。連携するのは太陽光発電システム販売子会社の京セラソーラーコーポレーション(KSC、京都市伏見区)と、通信エンジニアリング事業子会社の京セラコミュニケーションシステム(KCCS、同)。4日からKCCSの協力企業約100社が、住宅用太陽光発電システムの取り扱いを始め、販売体制を強化する。

京セラの国内住宅用太陽光発電システムの販売は現在、全国67店舗あるKSCのフランチャイズチェーン店や住宅メーカーなどを通じ、行っている。これに携帯電話基地局の建設などを手掛けるKCCSの協力企業を販売網に加えることで、拡大する需要の取り込みを急ぐ。KCCSが運営するデータセンターや通信サービスを用いた太陽光発電システムの発電状況モニタリングサービスなども計画する。
...(C)朝日新聞

日本の有力な太陽光発電システムメーカーである京セラの話題だ。需要拡大する太陽光発電システムに対応するため、京セラグループの2社、太陽光発電システム販売子会社の京セラソーラーコーポレーション(KSC)と通信エンジニアリング事業子会社の京セラコミュニケーションシステム(KCCS)だ。

販売会社と通信エンジニアリング会社の提携が効果あるのかひとごとながら気にはなる。要点は2つ。ひとつは、KCCSの協力企業約100社が、住宅用太陽光発電システムの取り扱いを始める、ということだ。ひとつの提携で販売拠点が100箇所増えるのだから、これは効果があるだろう。

もうひとつは、ちょっと面白い。KCCSが通信に強いことを生かし、KCCSが運営するデータセンターや通信サービスを用いた太陽光発電システムの発電状況モニタリングサービスなども計画する、とのことだ。このモニタリングサービスが完成すると、自分の家の発電量をリアルタイムで全国の家庭と比較できる、というわけだ。同じ地域で上位なら嬉しいし、もし下位なら、一部の太陽電池パネルの故障を疑う、などということも可能だ。まあ、これは太陽光発電システムの「傍流」サブシステムだが、ユーザにとっては意外に競争心を煽られるのではないだろうか。このサービスに期待する。

太陽電池の今年第二四半期出荷量

2009年09月07日

共同通信サイト47NEWSの9月6日付記事太陽電池の国内出荷が過去最大 9割以上が個人住宅用から。

太陽光を利用して電気を生み出す太陽電池の2009年4~6月期の国内向け出荷量が前年同期比82・5%増の8万3260キロワットと、過去最大となったことが6日、太陽電池メーカーなどでつくる太陽光発電協会の調べで明らかになった。

用途別では、9割以上を個人住宅向け発電システムが占める。住宅1戸当たりで導入するシステムは平均3・5キロワット程度とされ、単純計算では同期間に2万戸余りで新たに太陽光発電が導入されたことになる。
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調査には、国内で太陽電池を出荷している三洋電機やシャープ、三菱電機など国内外の主要メーカー24社が回答した。(C)共同通信

この調査には、引用記事最後のとおり、国内で太陽電池を出荷している国内外の主要メーカー24社が回答した、とのことなので信頼できる数値だ。

この記事の要点は次のとおりだ。
(1)太陽電池の2009年4~6月期の国内向け出荷量が前年同期比82・5%増の8万3260キロワットと、過去最大。
(2)用途別では、9割以上を個人住宅向け発電システムが占める。

太陽光発電システムの伸びが著しいこと、その牽引車が個人住宅向け太陽光発電システムであること、がわかる。民主党政権になり、今後益々太陽光発電システムの導入の進展することが期待される。

1kw当たり133万円の高額太陽光発電システム

2009年09月08日

毎日新聞サイト9月4日記事「太陽光発電:江南市役所屋上にパネル設置へ /愛知」から。

江南市は市役所東庁舎屋上に太陽光発電パネルを年度内に設置する。予算は国からの臨時交付金約1999万円を充てる。9月市議会に提案した。

1枚208ワットのパネル72枚を設置。推計で年間約15キロワット(電気料金に換算して約17万円分)を発電して照明や空調設備に利用し、庁舎全体の年間電気料金(約1400万円)の1・2%を補う。パネル設置により二酸化炭素(CO2)の排出量も削減できる。

パネルの設置に伴い、本庁舎1階ロビーにリアルタイムで発電量が分かる表示装置を置いて市民にもアピールする。【渡辺隆文】(C)毎日新聞

まず、記事に誤りがある。「推計で年間約15キロワット...を発電」はウソ。年間発電量の単位はキロワットではなくキロワット時(Kwh)だ。「1枚208ワットのパネル72枚を設置」というから、太陽光発電能力は208ワット×72枚=14,976ワット、つまり約15キロワットだ。ということは、ざっとの概算だが年間発電量は15メガワット時、となる。記事のこの部分は、次のようにすべきだ。

1枚208ワットのパネル72枚を設置。発電量は約15キロワットで、推計で年間電気料金に換算して約17万円分を発電して照明や空調設備に利用し、庁舎全体の年間電気料金(約1400万円)の1・2%を補う。

さて、もうひとつ仰天することがある。発電量(発電能力)15キロワットのシステム価格が、1999万円、とのこと。1キロワット当たりの価格を計算すると、
1999万円÷15kw≒133万円
となる。極めて高額だ。家庭用太陽光発電システムならありえない、詐欺的価格。家庭用太陽光発電システムへの国の補助金は1キロワット当たり70万円までのシステムが対象だ。最近はシステム価格が下がってきたため、1キロワット当たりの価格は60~70万円と考えられる。ということは、この江南市のシステムは市場価格の倍の価格なのだ!!。設置が困難な場所ならあり得る価格かもしれないが、記事には設置場所が市役所屋上と書いてある。

役所と結託した業者が大もうけしているのか。

もしそうでないのなら、この記事を書いた毎日新聞記者の渡辺隆文氏はシステムが高額である理由をきちんと書かなければならない。また江南市からシステムが高額である適切な説明が貰えなかったのなら、毎日新聞はマスコミの責任において市を糾弾しなければならない。

 
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