2009年10月 | 太陽光発電 何でも情報


2009年10月

甲子園球場に太陽光発電

2009年10月01日

10月1日の朝日新聞サイト記事甲子園に太陽光発電 阪神の年間ナイター分まかなう計算から。

阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)の大屋根「銀傘」に、太陽光発電設備が設置される。発電できる電力量は年間で推定約19万3千キロワット時。阪神タイガースが甲子園球場で行う1年間のナイター照明の使用量に相当し、球場全体の使用電力量の約5.3%が太陽光発電でまかなえるという。

費用は計約1億5千万円。今年3月の第2期リニューアル工事で新しくなった銀傘約7500平方メートルのうち、外壁側の約1800平方メートルに1600枚分の太陽光パネルを敷き詰める。10月中旬に着工し来年3月の稼働を予定。阪神電気鉄道によると、太陽光発電の設備をもつプロ野球の球場は現時点ではほかにない。

1日記者会見した阪神電鉄の坂井信也社長は「タイガースや高校野球のファンをはじめ多くの人に環境への関心を高めてもらうきっかけになることを期待している」と話した。 (C)朝日新聞

電力会社の太陽光発電以外の太陽光発電システムとしては、この甲子園球場の太陽光発電システムはかなり大規模だ。設置面積は1800平方メートルというからかなり広い。40数メートルの正方形と考えると、かなり広いと想像が付く。この面積の太陽光発電で、1年間のナイター照明の電気量に相当する、とのことだが、それは球場全体の約5.3%の電力量だそうだ。球場という施設は夜間照明以外にかなりの電力を消費している、ということもこのニュースで初めてわかった。

さてこのブログの十八番の計算。この太陽光発電は年間発電量が約19万3千キロワット時というから、発電能力は約190キロワットと仮定する。設置費用は約1億5千万とのことなので、1キロワット当たりの設置費用は、約79万円となる。う~~ん、家庭用の太陽光発電システムよりは少し高めだ。ただ極端に高いわけではない。「銀傘」に設置するための設置工事に余分な費用がかかるのだろうか。

環境配慮型のコンビニ

2009年10月02日

9月29日の毎日新聞サイト記事「ミニストップ、三重大学キャンパス内に環境配慮型店舗を開設」から一部を引用する。これは、コンビニのミニストップのプレスリリース記事をそのまま掲載した記事である。

ミニストップ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:阿部信行)は、2009年10月1日(木)三重県津市に、最新の環境配慮型店舗「ミニストップ三重大学店」を開店いたしますので、ご報告申し上げます。
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今回開店するミニストップ三重大学店は、従来のエネルギー効率の高い省エネ設備以外に最新の環境配慮型設備として、イオンと業務提携した京セラの太陽光発電システムや省エネ照明設備(LED照明や冷陰極管蛍光ランプ)を導入することで、年間電力消費量の約11,600kwh削減を目指しています。さらに、同店舗では「レジ袋削減」活動の一環として、買物時のレジ袋を使用せずエコバッグを活用することにより、CO2削減にも貢献してまいります。
...(C)ミニストップ、毎日新聞

大学キャンパスに環境に配慮したコンビニを開店する、というプレスリリース記事だ。このミニストップ三重大学店では、太陽光発電システムと、LED照明や冷陰極管蛍光ランプによる省エネ照明設備により、年間11,600キロワット時の電力を削減する予定、とのことだ。この削減分のうち、太陽光発電が寄与するのはどれくらいの電力か、この記事からは不明だ。それにしても、コンビニエンスストアというのはいかに電力を消費しているのかがよくわかる。

太陽光発電の普及と送電網の整備

2009年10月05日

少し古いが8月12日付の産経新聞サイト記事「風力、太陽光発電の促進が、大停電を引き起こす?」から一部を引用する。元記事はブルームバーグで、米国の話題だ。

輸入石油への依存を解消するために、風力や太陽光発電の開発を促進しようとするオバマ米大統領の計画が、見えないリスクを生んでいる。老朽化した送電網に過度な負担がかかり、大停電を引き起こしかねないのだ。

オバマ大統領の7870億ドル(約76兆700億円)の景気刺激策のうち、送電網の拡大に充てられるのは、今後2年間でわずか60億ドル。しかし調査機関エレクトリック・パワー・リサーチ・インスティチュートのリッチ・ローダン氏によると、国内の送電網を完全に改修するためには、向こう10年にわたり毎年130億ドルが必要だ。予算はその5%にも満たない。
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調査会社ブロードポイント・アムテックのアナリスト、ウィル・ガブリエルスキ氏は、送電線の整備なしに代替エネルギーの使用を進めた場合の電力不足のリスクを指摘する。

同氏の懸念はすでに08年にテキサス州で現実化している。同州の風力発電規模は米国一で、630万家庭への供給量にあたる7907メガワットを生産する。しかし08年2月に風がほとんどなかったことが原因で発電量が82%減少し、工場やオフィスへの送電制限を余儀なくされた。電線を増設していなかったため、代替経路で電力を供給することができなかったのだ。

安定した電力を供給できる石炭火力発電と比べて、風力のような代替エネルギーは多くの送電線や補助金が必要となる。もし中北部ノースダコタ州の風力発電所で猛烈な風が吹いているとしても、電力を必要としているのは遠く離れたシカゴなど大都市であり、そこまで届けなければならない。こうした問題は原子力発電や石炭火力発電では起こらない。これらの場合は発電所は、消費地から比較的近い場所に建設されるからだ。

連邦エネルギー規制委員会(FERC)のジョン・ウェリングホフ委員長は、送電網の予算を増やさなければ、遠隔地で生産された再生可能エネルギーを各都市で十分に利用することができないという。7月20日にシアトルで開催された会議で、「再生可能エネルギーをもっとも効率よく発電できる場所から、それを消費する大都市へとエネルギーを届けるために不可欠な送電設備を開発するとの、連邦政府による確約が必要だ」と主張した。
...(C)産経新聞、ブルームバーグ

送電線の整備無しに太陽光発電・風力などの代替エネルギーに頼ると電力不足に陥る、という米国の教訓だ。

風力発電の規模が米国一のテキサス州では、2008年2月に風がほとんど吹かなかったことが原因で、発電量がなんと82%減少し送電制限を余儀なくされた、とのこと。送電線が未整備で代替経路での電力供給ができなかったことが原因だ。そして米国では、送電網の完全改修に必要な金額の5%未満の予算しか付いていない、とのこと。

通常は、電力の大消費地である都市の近くに火力発電所・原子力発電所は設置される。しかし代替エネルギーの場合、風の強い地域は大都市の近くとは限らず、日照の多い地域も大都市の近くとは限らないので、代替エネルギーの充実には送電網の整備が不可欠、ということだ。

日本も、この米国の例を教訓として送電網の整備に努める必要がある。

固定価格買取制度は太陽光発電のみ対象

2009年10月06日

10月3日の東京新聞サイト記事「太陽光以外の電気買い取りなし 国の制度凍結と見直し要望」から。

家庭などの太陽光発電の電力を電力会社が一定の価格で買い取る新制度では、風力や小水力発電など太陽光以外の再生可能エネルギー発電装置を併設している場合、太陽光以外の電力が電力会社に流れないようにする装置を新たに有料で設置しなければならないことが、3日までに分かった。

経済産業省は「太陽光だけを対象とした制度で、電力の消費者に費用負担を求めるのだから、このような措置を求めるのは当然」(資源エネルギー庁)としているが、関連の学会やシンクタンクなどは「制度の導入が逆に再生可能エネルギー普及を阻害する」と、制度の凍結と見直しを求める要望書を鳩山由紀夫首相や直嶋正行経産相らに提出した。
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だが、太陽光以外の自家発電装置も併設している家庭などがこの制度に参加する場合、20万円以上を新たに負担して装置を取り付け、太陽光以外の電力が電力会社に流れ込まないようにすることが必要になるという。

この規定について、小型風力発電装置を扱う「ゼファー」(東京)の伊藤瞭介社長は「太陽光で発電できる時間は限られ、他の発電手段との併設は合理的だ。既に併設している家庭などでは負担増になるし、併設を計画している数多くの学校なども計画の見直しを求められることになる」と批判している。(C)東京新聞

このブログの8月26日記事「固定価格買取制度は今年11月開始」に書いたとおり、日本でもこの11月から太陽光発電による余剰電力の固定価格買取制度(FIT)が始まることになった。別の記事にも書いたが、この制度はある一定期間、上乗せ価格で買い取るものだ。その原資は全電力使用者だ。

しかしこの制度は、太陽光発電による電力のみが対象だった。風力発電による電力はその対象ではない。もし太陽光発電と風力発電の両方を設置したユーザがいたする。固定価格買取制度は太陽光発電のみが対象なので、このユーザは風力発電設備があるが故に、このFITの恩恵を受けることはできないのだ。もしFITの対象にしてもらいたければ、今日の記事によると、20万円もの装置を取り付けて、太陽光発電以外の電力が電力会社の電力線に流れ込まないようにしなければいけない、とのことだ。

これは本末転倒だ。記事中の引用にもあるとおり、太陽光発電が可能なのは昼のみなので、他の時間帯の発電が可能な他の発電設備(風力発電など)との併設は、逆に推進しなければならないはずだ。

今までの硬直した自民党政権なら官僚の考えるとおり制度のままで変更はしないだろうが、今は民主党政権。どのような結論が出るか、見守ってゆきたい。

新潟県と昭和シェル石油の共同事業でメガソーラー発電所

2009年10月07日

今日は新潟の話題。10月6日の毎日新聞サイト記事「にいがた経済:大規模太陽光発電所、来年9月にも稼働」から。

◇共同事業者に昭和シェル

大規模太陽光発電所「メガソーラー発電所」の事業化を進める県は、共同事業者に昭和シェル石油を選定したと発表した。10年9月にも稼働させる予定で、県は9月補正予算で計上した事業費5000万円に加え、県議会12月定例会に概算で約1億5000万円を追加計上する方針。予定通り発電を実現できれば、国内初の事業化になるという。

県産業振興課によると、発電規模は一般家庭約250世帯分の年間電力量に相当する1メガワット。建設候補地は同社新潟石油製品輸入基地(新潟市東区臨港町3)内の1・5~2ヘクタールとする予定。

県は9月1日から共同事業者を公募し、5社から応募があった。冬場の日照時間が少ない地域でも効率的に発電できる発電パネルを既に導入し、北海道や山梨県で太陽光発電の実証実験を実施した実績などが評価され、同社が選定された。

総事業費は約7億円に上る見込みだが、約半分を補助する国の「地域新エネルギー等導入促進事業」の適用を目指し、共同で事業提案した。(C)毎日新聞

新潟県は、大規模太陽光発電所「メガソーラー発電所」の事業化を進めている。通常はメガソーラー発電所といえば電力会社と相場は決まっているが、なんと新潟県がその主体とか。当然、県のメガソーラー発電所の事業化は日本初とのことだ。もちろん、県単独ではメガソーラーのノウハウは無いので、共同事業者を募ったとこおろ5社の応募があり、そのうち昭和シェル石油がその共同事業者に決まったそうだ。

新潟県といえば雪が多いため、日照時間の少ない地域でも効率的発電の可能なシステム、ということで昭和シェル石油が選定された、とのこと。昭和シェル石油の太陽電池はCIS薄膜太陽電池。太陽電池のその他の種類によると、CIS薄膜太陽電池は「銅・インジウム・ガリウム・セレンの化合物による太陽電池です。数μmの厚さで良いこと、変換効率が高いこと、劣化がないことが特徴で、次世代の太陽電池のひとつと目されています。」とのことだ。このCIS薄膜太陽電池の変換効率の高さが決め手となったのだろう。

さて、引用記事の最後に、総工費約7億円、とある。発電能力は1メガワット。1メガワットは1000キロワットだから、割り算をすると、1キロワットあたりの単価は70万円、となる。これは家庭用太陽光発電システム設置時の単価と同一レベルだ。シリコン系太陽電池よりは高価と思われるCIS薄膜太陽電池を使用してこの単価とは結構安い。推測だが、昭和シェル石油はメガソーラー発電所の実績作りのため、ある程度の負担をしているかもしれない。

シリコン含有インクで太陽電池

2009年10月08日

10月7日の朝日新聞サイト記事「帝人、シリコン粒子含有インクで太陽電池を開発」から一部引用する。

帝人は半導体素子製造向けに開発したシリコン粒子含有のインクを応用して、太陽電池を開発する。アモルファスシリコン系太陽電池と同等のエネルギー変換効率を目指し、5年後に実用化する方針。このインクを使えば、インクジェット方式で塗布して製造できるため、従来の真空蒸着プロセスよりも大幅に製造コストを削減できる。同社はエネルギー変換効率を引き上げるために、シリコン粒子やインクの性能を高める技術開発を急ぐ。

太陽電池を構成するシリコン粒子含有インクの開発は、米国ベンチャー企業のナノグラムの技術を活用する。同社の技術を使って直径数十ナノメートル(ナノは10億分の1)に微細化したシリコン粒子をインクに分散する。このインクを太陽電池の基板に塗布し、紫外線レーザーを当てて固める。インクにはリンなど太陽光を電気エネルギーに変換する際に必要なドーパント(混ぜ物)が含まれている。帝人はシリコン粒子の界面制御や結晶構造の最適化とともに、ドーパントとシリコン粒子の反応を最適化することで、エネルギー変換効率を高める。

帝人とナノグラムは2009年2月からシリコン粒子を樹脂に塗布して、半導体素子を製造する技術開発に取り組んでいる。すでにポリカーボネート樹脂製のフィルムにシリコン粒子含有のインクを塗布した半導体素子の製造に成功した。
... (C)朝日新聞

この新しい太陽電池は、シリコン薄膜太陽電池の一種だ。シリコン薄膜太陽電池は一般に、結晶型太陽電池に比べると変換効率は少し低いものの、シリコン使用量が格段に少なくて済むため、結晶型よりは低価格で太陽電池を製造できるメリットがある。

通常のシリコン薄膜太陽電池は、シリコンを含むガス中で放電させ基板上にシリコンの薄膜を蒸着させる製造方法が一般的だ。片や、今回の帝人の太陽電池は、シリコンの超微粒子を含むインクを太陽電池の基板に塗布し、紫外線レーザーで固める、という方法だ。そのシリコン微粒子は、米国ベンチャー企業のナノグラムの技術で、直径数十ナノメートルという微粒子だ。このサイズは一番小さなウィルス程度の大きさ。

そのシリコン微粒子を含むインクには、太陽電池に必要な他の物質(ドーパン)も混ぜてあり、その割合を調整して最大の変換効率を得るようにし、5年後に製品化を目指しているそうだ。

この技術が完成すると、任意の面にインクを吹き付けて紫外線レーザーで固めれば太陽電池の出来上がり、ということも可能で、太陽電池の応用範囲が広がる。また、フレキシブルな面を太陽電池にすることもできる。かつインク状なので大量生産すれば単価は大幅に下がる。この製品が実用化する5年後に期待したい。

 
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