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2009年12月

経済産業省の全量買取制度導入作業部会ヒアリング

2009年12月01日

このブログの11月8日記事「再生可能エネルギーの全量買取へ」で、政府はすべての再生可能エネルギーの全量買取へ向けて動き出していることを書いた。今日の記事はその続編。読売新聞サイト11月30日記事「太陽光以外の買い取りも必要 経産省の作業部会」によると次のとおりだ。

経済産業省は30日、家庭や企業、自治体が太陽光や風力など自然エネルギーで発電した電力を、電力会社が全量買い取る制度の導入に向けた作業部会を開き、太陽光発電協会など関係業界団体のヒアリングを実施した。

二酸化炭素(CO2)排出削減には、風力や地熱発電など太陽光以外の自然エネルギーも全量買い取り制度の対象とすることが必要との意見が多数を占めた。

この制度導入の場合、電力会社の購入費用が増大し、電気料金に転嫁される可能性があることについて「国の補助金などで対応する必要もある」(日本風力発電協会)との意見が出された。

一方、家庭用の太陽光発電に関しては、国民の省エネ意識を促す手法として「買い取りを余剰電力に限定する現行制度も効果がある」(太陽光発電所ネットワーク)との考えも示された。

作業部会は今後、電力やガス会社のほか、消費者や企業などからも幅広く意見を聴き、来年3月をめどに取りまとめる制度案に反映する。(C)読売新聞

この”すべての自然エネルギーで発電した電力を電力会社が全量買い取る制度の導入に向けた作業部会”は、前記ブログでも述べたが、11月上旬に発足したプロジェクトチームだ。その作業部会が、目的とするその買取制度に関するヒアリングを行った、という話題だ。そのヒアリングに参加したのは、太陽光発電協会など関係業界団体、とのことだ。

記事によれば、温室効果ガス排出削減のためにすべての自然エネルギーの全量買取をすべき、という意見が多数を占めたそうだ。これには電力会社は反対するはずなのに、と記事を良く読むと、当日の参加者は関係業界団体のみだったようだ。

そのヒアリングで出た意見の内、日本風力発電協会の、買取資金が電気使用料金に上乗せされることに関し国の補助金で対応する必要がある、との意見は、当ブログの論とも一致する。買取資金すべてを電気使用者のみで負担することには無理がある。

また、太陽光発電所ネットワークが”家庭用の太陽光発電に関しては、国民の省エネ意識を促す手法として「買い取りを余剰電力に限定する現行制度も効果がある」”は意外だ。省エネ意識を促すには全量買取ではなく余剰電力買取の方が効果がある、ということのようだが、この記事からはこの論拠が何かはわからなかった。想像たくましくしてもこのような論にはならない。強いて考えるに、全量買取になると売電金額がかなり増えるため電気を使用している感覚が欠如し電気を大切に使用しなくなり、ということだろうか。これくらいの論しか思い浮かばない。

この経済産業省の作業部会は今後、電力・ガス会社や消費者、企業からもヒアリングする、とのことで、来年3月には結論が出るそうだ。ただ、このヒアリングという手法、以前の公聴会のようなものだろうが、人選は経済産業省だろうから、結局は市民の意見を反映した結論は得られないように思う。

三洋電機の高変換効率の新太陽電池の量産化見通し

2009年12月02日

このブログの9月21日記事「三洋電機の超薄型・高変換効率の新太陽電池」で、三洋電機が開発した高い変換効率の薄膜型太陽電池について書いた。この新型太陽電池は、三洋電機の誇るHTI太陽電池に迫る変換効率で、かつ厚さも従来型の半分以下の0.1mm程度、が特徴だ。今日はその続編となる話題だ。産経新聞サイト11月22日記事「変換効率世界最高レベル、三洋電機が超薄型太陽電池セルを23年にも量産へ」によるとつぎのとおりだ。

三洋電機は21日、同社が開発した太陽電池の基幹部品のセルで、世界最高レベルの変換効率(光エネルギーを電力に変える効率)を持つ超薄型製品を平成23年初めにも量産化し、一般住宅用に販売する方針を明らかにした。太陽電池の国内メーカーは海外勢との価格競争にさらされており、量産化を早めることでコスト削減を急ぐ。

同社が現在、単結晶シリコンと薄膜を組み合わせた「HIT太陽電池」のセルで、住宅用に販売しているものの変換効率は国内最高の19・7%。9月に、22・8%を従来の半分以下の厚さ0・098ミリのセルで実現したと発表したが、量産化については「未定」としていた。

しかし、太陽電池は中国、ドイツなど海外メーカーが相次ぎ新規参入し、低価格製品を展開。三洋のHIT太陽電池は高性能な半面、価格面で高めなことが販路拡大の足を引っ張っており、同社は設置面積あたりの発電量の高さをアピールするが、価格競争力でも対応を迫られている。

HIT太陽電池のセル製造にかかる費用は総コストの約50%を占めるため、三洋は薄型化により性能を維持しながら経費削減を進め、量産化したい考え。同社は今月17日、セルの生産能力(出力換算)を27年度に21年度比4倍以上の150万キロワットに引き上げることを柱とする事業戦略を発表。急拡大する太陽電池市場で攻勢をかけ、世界市場でトップ3(生産量で20年は11位)入りを目指すという。(C)産経新聞

9月の当ブログで書いた新型高性能太陽電池の量産化が23年の予定、という記事だ。通常の新聞で23年と書くとそれは2023年のことであることが普通だ。しかし右翼の産経新聞だけあって、これは平成23年のことのようだ。そして経済の産経新聞だけあって、三洋電機がこの新型太陽電池の量産化を急がなければならない事情の説明は詳しい。

技術開発力に優れた三洋電機、そのHIT太陽電池は商用製品としては最高の変換効率を持つ。しかし価格が高いのが欠点だ。いくら変換効率が高くても、海外メーカーの低価格戦略と戦うのは不利。そこで高性能かつ廉価な太陽電池の量産化が勝ち残りのためには必須条件となった、というわけだ。

HIT太陽電池は、単結晶シリコンとアモルファスシリコンを組み合わせた太陽電池だ。単結晶シリコンはシリコン使用量が多く、薄膜シリコンへの移行は世界的な流れだ。また効率は良いが高価な単結晶シリコンから効率は下がるがより安い多結晶シリコンへの移行も世界的な流れだ。三洋電機の新高性能太陽電池はこれらの潮流に乗っていながら高性能の変換効率を持つ製品、と言えるだろう。

9月の当ブログ記事では、この新型太陽電池は三洋電機と新日本石油が共同出資して設立した会社の共同開発製品か、と憶測したが、そうともいえないようだ。ただこれがHIT太陽電池と言えるかどうかは疑問だ。

その共同出資設立会社は「三洋ENEOSソーラー(株)」という名称で、今年(2009年)1月設立の会社だ。両社がちょうど50%づつ出資している。その会社の事業内容ページに、三洋ENEOSソーラーが製造しようとしている太陽電池について述べられている。それは、アモルファスシリコンと微結晶シリコンを積層した「薄膜微結晶シリコンタンデム太陽電池」とのことだ。微結晶シリコンとはあまりなじみの無い言葉だが、想像では、シリコンの微粒子をなんらかの方法で結晶化させ結晶の方向を揃えたもの、のように思う。これなら高価なシリコン材料を有効に使用でき、太陽電池の単価も下がる。この太陽電池の技術と、上記の三洋電機の新太陽電池は同じものか、類似のものか、同じルーツを持つ太陽電池であることは間違い無い。

このような製品こそ、日本の太陽電池メーカーの生き残る道だ。廉価な多結晶薄膜型は中国のメーカーに任せておけば良い。

「メガソーラー」は三洋電機の登録商標?

2009年12月03日

「メガソーラー」と言えば、大規模太陽光発電所のことだ。目安としては出力1メガワット、つまり千キロワット以上が目安だ。この「メガソーラー」という言葉は市民権を得た一般名詞、と思っていた。が、そうではない可能性がある。

このブログの昨日の記事「三洋電機の高変換効率の新太陽電池の量産化見通し」で三洋電機と新日本石油の合弁会社「三洋ENEOSソーラー(株)」を話題にした。その記事のなかで、同社のホームページ中の「事業内容」ページを紹介した。そのページの一番下をご覧いただきたい。

「メガソーラー」は三洋電機の登録商標です。

と書いてある。その上の図中には、メガソーラーという言葉の前に登録商標の(R)マークが付いているので、誤りではない。なんと、一般名詞と思っていた「メガソーラー」は三洋電機の登録商標なのだ。

でも腑に落ちない。「メガソーラー 三洋電機 登録商標」でグーグルにて検索したが、1ページ目にはそれに該当するサイトは無い。

次に三洋電機のサイトで、「メガソーラー」にて検索した。結果は、”入力されたキーワードに該当するページは見つかりませんでした。 ”

ということは、現時点においては「メガソーラー」は三洋電機の登録商標で無いか、または三洋電機は登録商標と主張することをあきらめたか、のどちらかだ。もし後者なら、アメリカの企業ではありえないだろうな、と思った。

アパートにも太陽光発電

2009年12月04日

このブログの11月27日記事「大容量の太陽光発電システムが搭載可能な新住宅」で、セキスイハイムの太陽光発電に特化した戸建住宅新製品について書いた。太陽光発電に対応しているのは戸建住宅だけではない。アパートにもその波は押し寄せている。時事通信社サイトの11月29日記事「アパートにも太陽光発電=住宅大手、相次ぎ投入」から一部を引用する。

大手住宅メーカーが、太陽光発電設備を備えたアパートを相次ぎ投入している。戸建て住宅では環境意識の高まりや政府の補助金効果などで、太陽光発電の導入が進んでいる。各社はつくった電気をアパート入居者に分配し、余剰分は電力会社に売って各戸の光熱費を抑えられる点を積極的に訴え、賃貸住宅市場を活性化したい考えだ。

ミサワホームは4月、「Belle Lead eco(ベルリードエコ)」を発売した。太陽光発電による省エネに加え、テレビ画面付きドアホンを設置するなど、防犯面も配慮。同社は「光熱費削減で住民の満足度向上が期待でき、高い入居率を維持できる」と、家主にとっても魅力があることを強調する。初年度は200棟の販売を計画している。

積水化学工業も7月、「レトアおひさまスタイル」の販売を開始。同社は「大型の屋根で太陽光パネルを多く乗せられ、発電効率が高い」と利点を説明する。11月に電力会社が従来の2倍の価格で太陽光発電の余剰電力を買い取る制度が始まったのも追い風になっているという。2009年度に1000戸の販売目標は達成可能と自信を見せる。

大和ハウス工業が11月に売り出した「セジュールエコハ」は、自然の風や光の通り道を室内につくり、「空調機器になるべく頼らない工夫を盛り込んだ」ことも売り物の一つ。太陽光発電や断熱性が高い窓ガラスの採用などで二酸化炭素(CO2)排出を減らせるとアピールし、年間500棟の販売を目指す。(C)時事通信社

アパートに太陽光発電システムを設置すれば、余剰電力を電力会社に売ることで利益が生ずる。その利益は各戸の一部に充当すれば入居者にメリットがあり、またそれにより入居率が高まるため家主にもメリットがある。というわけで住宅メーカーはアパートへの太陽光発電対応に乗り出している。

ミサワホームの「ベルリードエコ」は太陽光発電のみならず防犯もウリとする製品を発売。

積水化学工業の「レトアおひさまスタイル」は、先日の当ブログで触れたセイキスイハイムの戸建住宅と同様の特徴で、大型屋根に太陽光発電パネルをより多く乗せる、が特徴だ。

大和ハウス工業の「セジュールエコハ」は、空調機器になるべく頼らない、が特徴だ。風や光の通り道を室内につくり、また断熱性の高い窓ガラスによりそれを実現している。

他社からも類似のアパート新製品が続々出ることが期待できる。

京都風の西陣織文様の電気自動車

2009年12月05日

西陣織風電気自動車の話題だ。12月1日朝日新聞サイト記事「京風電気自動車どす 西陣文様、華やか」から。

京都大は、「京都風電気自動車」の模型車(10分の1モデル)を発表した。外装に西陣織の文様を施した上に太陽電池をはり付けた。太陽電池は、京都市の光半導体製造会社「京セミ」が開発した球状シリコン電池を採用し、発電電力を車のエアコンなどに使う。今後、市販される電気自動車での採用をメーカーなどに呼びかける。

起業家育成などに取り組む京都大ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)が「先端技術と伝統文化の融合」を掲げて提案した。西陣織の文様の車体へのはり付け技術は、京都市産業技術研究所が担当。外装には1台数百万円かかるが、太陽電池の量産化が進めば数十万円まで下げることができるという。 (C)朝日新聞

外装に西陣織分の文様を施した上に太陽電池を貼り付けた車だ。京都大ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー(VBL)が「先端技術と伝統文化の融合」を掲げて提案した車、とのこと。この太陽電池は、球状シリコン電池、とのことだ。この電池は聞いたことがないが、太陽電池を小さく球状とすることで、あらゆる方向からの太陽光を受光できる太陽電池だろう、と想像する。

外装には1台数百万円かかるそうだが、太陽電池の量産化が進めば数十万円まで下げることができる、とのことだ。ということは、この球状シリコン電池は現在はかなり高価な電池、と類推できる。

さすが、京都らしいアイデアだが、このようなビジネスを天下の京都大が後押ししているところが実に興味深い。

宮城県の独自の環境税

2009年12月07日

朝日新聞サイト宮城版の12月5日付記事「独自の環境税、新年度に導入へ/宮城県」から一部を引用する。

財政難の県が、また新たな独自課税を検討している。今度は、財源を森林整備やクリーンエネルギーの普及に充てる「環境税」。県税の個人県民税と法人県民税に上乗せする方式で、個人への上乗せ分として想定する年1200円は、すでに同様の環境関連税を課している全国30県よりも高額になる。2008年に「みやぎ発展税」を新設した村井嘉浩知事にとって、実現すれば2件目の独自新税導入となる。

県が導入を検討しているのは「みやぎ環境・エネルギー税(仮称)」。条例案を来年の県議会2月定例会に提出し、新年度からの導入を目指す。村井知事が4日の県議会で「二酸化炭素(CO2)排出増などの課題解決に向け、即効性の高い新規事業などを拡充するために新しい財源が必要」と表明した。

「国で議論されている環境税と目的が重複するのでは」。自民会派の佐々木喜蔵氏の質問に対し、知事は「国の環境税はCO2排出の抑制のため、排出者を中心に課税すると聞いている。一方、県の新税は環境保全などの財源として、その便益を享受する県民に広く負担していただくというもの」と説明した。

県によると、想定する課税対象は個人と法人。個人県民税を納めている約106万人には、個人県民税の均等割り部分に1200円を上乗せする。低所得者層は対象外。

法人は約5万社を想定し、法人県民税の均等割り部分を10%上乗せする方向で、課税額は資本金に応じて2千~8万円となる。

実現すれば年に約16億円を確保できる見込みで、太陽光発電などクリーンエネルギーの導入促進や森林整備、環境関連産業の振興に充てる予定だ。

環境関連税をめぐっては、県庁内で07年、みやぎ発展税とともに導入の可否が検討されたが、折からの原油高騰などで家計の負担が増し、県民の反発が予想されたことから、いったん見送られた。

発展税は08年から導入されたものの、県財政は地方交付税の削減や社会保障費の増大で引き続き厳しい状況にある。県の試算では一般財源が年に0・8%ずつ減った場合、今から2年後には北海道夕張市のような財政再生団体に転落するという。

こうした状況から、県議会の特別委員会は今年6月、知事に「財源確保策として新税導入が必要」と提言。これを受けて知事は、担当部局に課税の規模や施策内容を検討するよう指示していた。

環境関連税は03年以降、福島、岩手、山形、秋田の東北4県を含む30県で導入済み。個人への課税額は400~千円で、1200円は全国最高額となる。
...(C)朝日新聞

この記事によれば、全国の30県で環境関連税が導入済み、とのことだ。30県ということは約6割の県。こんなにも多くの県で独自の環境関連税を導入しているとは私は知らなかった。今日の話題の宮城県では、この環境新税は村井知事が2008年の「みやぎ発展税」についで二番目の独自新税導入となるそうだ。宮城県がなりふり構わず新税導入にやっきなのは財政難のため。宮城県の試算では、一般財源が年にたった0.8%減っただけで、今から2年後に夕張市のような財政再生団体に転落するそうだ。これは大変切羽詰っている状況だ。これも小泉改革(改悪)の負の部分のなせる業だ。

さて宮城県が導入を検討している新税は「みやぎ環境・エネルギー税(仮称)」で、来年度からの導入を目指す。国が検討している環境税とは性格が異なり、国が排出者への税であるのに対し、環境保全などの財源として広く宮城県民に負担してもらう、という税。

税額は、個人は県民税を納めている106万人に均等に1200円を上乗せする。法人は5万社を想定し、資本金に応じて2千円~8万円となるそうだ。この個人への課税が1200円という額は、日本でもっとも高い課税額とのことだ。

この環境税は年に約16億円確保できるそうで、太陽光発電などクリーンエネルギーの導入促進や森林整備、環境関連産業の振興に充てる予定、とのことだ。どこの県も太陽光発電設置の補助金は多くて数億円なので、宮城県もそのレベルと考えると、残りの10数億円は「森林整備、環境関連産業の振興」に充てることになる。この「森林整備、環境関連産業の振興」内容はどうも具体的にイメージが沸かない。県民は、支払った環境税がきちんと環境関連行政に使われているか、チェックが必要だろう。もちろん、このチェックは「県民」というよりマスコミの仕事だ。

それにしても引用した朝日新聞の記事、やたら冗長のように思う。もっと簡潔にまとめたほうが良い。

 
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