2010年2月 | 太陽光発電 何でも情報


2010年2月

北杜市に30年ぶりの太陽熱発電施設

2010年02月01日

太陽エネルギーからエネルギーを取得する方法として、太陽光発電のほかに太陽熱エネルギーがある。太陽熱エネルギーは日本では太陽熱温水器として利用されている。太陽熱温水器は太陽エネルギーを太陽光発電よりずっと高い割合で利用できる優れものだ。最近の日本ではあまり人気のないのが大変残念だ。その他の太陽熱を利用する方法として、太陽熱発電がある。これは日本ではまったくと言ってよいほど設置されていないが、欧米、特に日照時間の多いスペインでは大規模な太陽熱発電所が存在する。太陽熱発電の原理は意外に単純で、鏡により集光した箇所の高温で火力発電と同じタービンを回して発電する。今日の話題はその太陽熱発電所の日本での話題だ。毎日新聞サイトの1月30日記事「太陽熱発電:30年ぶり復活へ 東工大技術で低コスト実現」から一部を引用する。

太陽熱でタービンを回し発電する「太陽熱発電」計画が、国内では約30年ぶりに復活する。石油ショック後の81年、香川県で試みられたが、採算面などの理由で中止。その後、東京工業大を中心に技術改良が進み、低コストの新方式を開発した。国内有数の日照時間を確保できる山梨県北杜市に、実験プラントを建設する計画が進んでいる。

計画を主導するのは玉浦裕・東工大教授(エネルギー転換)らのチーム。「温室効果ガス排出ゼロ」を掲げて開発が進むアラブ首長国連邦のアブダビで試験を重ね、実用化が期待できる出力が得られる見通しが立った。

太陽熱発電は発電中に温室効果ガスを出さないうえ、「太陽光発電」と違い、蓄熱することで曇天や夜間でも発電が可能だ。欧州の業界団体などによると、世界の推定総発電規模は現在、原発4基分と少ないが、50年には世界の総発電量の最大12%を占めるまでに成長すると予想している。

アブダビでは、地上に設置した1386枚の鏡で太陽光を受け、高さ20メートルのタワーの先端に集めた後、再び鏡で地面に下ろし、その熱で特殊な溶液を500~1000度まで加熱。これを熱源にタービンを回して発電する。時々刻々と動く太陽を追尾できる独自の反射鏡を開発し、集熱効率を高めている。最大出力は100キロワットと電子レンジ200台分だが、山梨の実験プラントは約3倍の規模にし、将来的には実用に堪える100倍の出力を目指すという。

チームによると、すでに商業化されている各国の発電コスト(トラフ型)は、1キロワット時当たりで火力発電の4倍程度とされる。

玉浦教授は「新型はその半分を目指す。環境税が導入されれば、温室効果ガスを出す火力発電に課税されて発電コストが上がるので、両者の差はさらに縮まるだろう。エネルギーの安全保障上も重要な発電手段になるはずだ」と話す。(C)毎日新聞

太陽熱発電の実験施設を建設する計画が進展中だ。なんと日本での太陽熱発電は約30年ぶりとのこと。かつては香川県で試みられたが採算が合わず中止になったそうだ。今回は山梨県北杜市に建設予定で、技術の中心チームは東京工業大学だ。東工大はアブダビの太陽熱発電実験施設で研究を重ね、実用化が可能なレベルに達した、とのことで日本での実験になった。

アブダビの施設は、地上の約1400枚の鏡で地上20メートルのタワーの先端に集光し、その光を再び鏡で地上に降ろす。その熱で特殊な溶液を500~1000度まで熱し、それによりタービンを回して発電する、という原理だ。

この方法の利点は、その溶液に蓄熱できるため太陽の照っていない時間にも発電できる、ということ。この方式は太陽エネルギーを利用する様々な方式の中で非常に優れている。

ただアブダビの出力は小さく、100キロワットだ。これでは発電所とは言えない。北杜市の実験施設ではそれを3倍にし、最終的には100倍にする予定だ。100倍というと最大出力10,000キロワット、つまり10メガワットなので、これが太陽光発電所ならメガソーラーだ。つまりそのレベルに達すれば発電所として充分な能力を持つことになる。

まだコストは高いようだが、将来性を非常に期待される技術だ。

2020年の太陽光発電の設備容量の予測

2010年02月02日

このブログの昨年9月29日記事「2020年の太陽電池マーケット予測」で調査会社の富士経済がまとめた2020年の太陽電池マーケット予測を書いた。今日は同じ会社がまとめた太陽光発電に関する調査に関する記事だ。共同通信サイトの2月1日付記事「太陽光発電、10年後に10倍 民間予測、日本は3位」から一部を引用する。

地球温暖化対策として有効な太陽光発電の設備容量は2020年、先進的に取り組む28カ国の合計で日本の原子力発電全体の4倍に相当する19万メガワットとなり、09年の10・5倍になるとの予測を民間調査会社の富士経済がまとめた。日本は10・4倍の2万7千メガワットで、09年と同じ3位と推定した。

一方、世界の風力発電の設備容量は3・9倍の59万7千メガワットに達し、日本は2・5倍の5千メガワットで17位としている。

二酸化炭素(CO2)を出さない太陽光や風力で発電した電力を固定価格で買い取る制度の導入などが大幅増の要因だ。

予測は先進国や新興国4カ国(BRICs=ブラジル、ロシア、インド、中国)を中心に、政府から聞き取り調査した普及支援策を基に行った。

20年の太陽光発電容量のトップは、電力消費量の30%以上を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げるドイツで、09年の5・3倍の3万9千メガワット。環境分野に重点投資する「グリーン・ニューディール」を打ち出した米国は21・0倍の3万3千メガワットと推定した。中国は85・3倍、インドは36・0倍になるとした。(C)共同通信

この世界の太陽光発電・風力発電市場の調査によれば、2020年の全世界における太陽光発電の設備容量は2009年の10.5倍にものぼるという予測だ。約10年でいまの10倍の太陽光発電が行われているのだ。これは凄い急成長マーケットといえる。だからこそ世界中の太陽光発電関連会社が膨大な設備投資をしているのだ。

ここで毎年同じだけの伸びと仮定すると、毎年どれだけ太陽光発電が増えるのかを計算してみた。この調査では2020年に2009年の10.5倍なので、11年間で10.5倍になる。したがって10.5の1/11累乗根を求めると、だいたい1.238となる。逆にに1.238を11乗すると約10.47になるので検算OK。つまり、太陽光発電の設備容量は毎年2割3歩8厘程度、もっとわかりやすく言うと毎年2割4分ほど増えてゆくのだ。毎年2割4分づつ増える市場、普通では考えられない。

一方、同調査によれば、全世界の風力発電の設備容量は、2020年が2009年の3.9倍の予想だ。同じ計算をしてみると、風力発電の設備容量は毎年1割3分ずつ増えてゆくことになる。これでも十分な成長マーケットだ。ちなみに2020年においては、風力発電は太陽光発電の約3倍にのぼる設備容量となる予測となっている。

ユーラス社の風力発電と太陽光発電で100万キロワット

2010年02月03日

朝日新聞サイトの1月29日記事「原発1基分の風力・太陽光発電所新設へ ユーラス」から一部を引用する。

国内最大の風力発電会社、ユーラスエナジーホールディングス(本社・東京)は28日、今後5年間で原子力発電所1基分にあたる出力計100万キロワット分の風力・太陽光発電所を国内外に新設する方針を明らかにした。

風力発電など再生可能エネルギーの発電事業が急拡大するなか、規模拡大を急ぐ。ユーラスが操業している発電所は、ほとんどが風力。北海道や青森県など国内で45万キロワット、欧州や米国など海外に139万キロワットの計184万キロワット。

ユーラスが今後5年間で増やす出力100万キロワットの大半も風力でまかない、1割程度を太陽光にする計画だ。主に米欧に建設する。ユーラスに共同出資している東京電力と豊田通商は28日、今後の投資に備え、計250億円の増資を決めたと発表した。
...(C)朝日新聞

ユーラスエナジーホールディングス(以下、ユーラスと略記)は風力発電事業の国内シェアトップの会社だ。同社の株主は東京電力60%、豊田通商40%だ。電力会社と商社が組んでいるというところに興味を惹かれる。同社が操業している風力発電は、日本国内が45万キロワット、海外が139万キロワット、というから大規模だ。

さて同社は、今後5年間で100万キロワット分の風力発電所・太陽光発電所を国内外に設置する方針。この出力100万キロワットという規模は原子力発電所1基分というからこれまた大きな話だ。そのため同社は250億円もの増資を決定したそうだ。同社はいままで風力発電専門だったが今後は太陽光発電にも進出するため、このような大規模な増資が必要なのだろう。ちなみにその100万キロワットの1割程度が太陽光発電、とのことだ。

ちなみにこのユーラスの風力発電開発についての条件は非常に参考になる。風力発電所設置のためには次の条件がクリアされなけばならない。

1.6.5m/s以上の風がある
2.広大な土地がある
3.幅5m以上の輸送路がある
4.送電線が近くにある
(C)ユーラスエナジーホールディングス

これらのうち「1.6.5m/s以上の風がある」は結構厳しい条件だ。年平均風速が6.5m/s以上、ということなのだ。海沿い、または山の風の通り道、のようなところになってしまうだろう。

なお、このブログで何回か触れているが、風力発電の推進のためには、バードストライクと低周波騒音の対策がどうしても必要だ。同社のホームページにはこれらの対策が全く書かれていなかったことはトップシェア会社の社会的責任を感じているのか疑問を持たざるを得ない。

ホンダが燃料電池車用の家庭向け水素ステーションを開発

2010年02月04日

究極の車は燃料電池車だ。燃料は水素で、それを直接電気に変換して走行する。その燃料電池車が普及するためには、燃料の水素を供給する水素ステーションが全国に展開していなければならない。かつ、家庭にも小型の水素ステーションがあれば燃料電池車の普及にはずみがつく。SankeiBizサイトの1月29日記事「ホンダ、太陽光利用の水素ステーション開発 家庭への普及にらみ小型化」から一部を引用する。

ホンダは28日、太陽光発電を用いた家庭用の次世代型水素ステーションを開発、米国で実証実験を開始したと発表した。ホンダの燃料電池車「FCXクラリティ」に水素を供給するもので、普及をにらみ、家庭向けに開発した。既にあるソーラー水素ステーションを小型化した。

新たな水素ステーションは、太陽光発電で得た電力などで水を電気分解し、水素を製造、燃料電池車に充填(じゅうてん)する仕組み。従来型のステーションは、水素を圧縮するためのコンプレッサーを使用していたが、次世代型では独自の高圧水電解システムを搭載しており、高圧水素タンクが不要になった。これによりサイズは従来型の3分の1と小型化を実現、「家庭用ガレージにも置くことができるサイズ」(ホンダ)という。カリフォルニア州で1年間の実証実験を行う計画で、今後の発売計画は未定。

8時間の水素充填で、日常的に必要となる走行距離約50キロを走行することができる。太陽光発電のみを使用した場合は、水素製造工程や走行時を含め二酸化炭素(CO2)の排出量はゼロになる。太陽光発電で得た電力を電力会社に売却することで、夜間電力を使用することも可能だ。

従来型のステーションでは、5分間の水素充填で430キロを走行することができるが、大型のため主に公共用として使われている。新型ステーションは、家庭用で、従来型の補助的役割と位置づけている。

燃料電池車普及に向けては、水素製造コストやインフラ整備が課題とされている。家庭用水素ステーションの登場で、インフラ整備の環境が一歩前進したといえ、燃料電池車の普及に弾みがつくかもしれない。(C)SankeiBiz

今日の記事のホンダが開発した水素ステーションはまさに家庭用を想定し、今までのものを小型化したものだ。水素は水の電気分解で生成するが、その電力に太陽光発電を使用。また既存タイプには存在したコンプレッサーや高圧水素タンクを無くし、新技術の高圧水電解システムを採用したことで、サイズがいままでのもののなんと1/3になった、とのことだ。まさに家庭のガレージに置けるサイズになった、と言えよう。

また太陽光発電を使用している、ということは余剰電力は売電できる、ということだ。日中は売電し、安い夜間電力で水素を生成、ということも可能な水素ステーションだ。さらに凄いのは、太陽光発電のみで水素を生成した場合には車の走行を含めて二酸化炭素の排出量がゼロになる、という点だ。

さすがに小型というだけあって能力はそれほど高くは無い。8時間の充填で約50Km走行分だ。ちなみに既存タイプは5分間の水素充填で約430Kmを走行可、とのこと。この能力を見ても、家庭で夜間に充填するという補助的使い方がメインの水素ステーションと言える。とはいえ、このような家庭用水素ステーションが普及すれば燃料電池車の普及が促進されることは間違いない。

変換効率の優れた有機太陽電池

2010年02月05日

今日は有機太陽電池の話題だ。このブログの昨年10月26日記事「太陽光発電によるトラック冷房と有機太陽電池」で、三菱化学が開発中の有機太陽電池について書いた。その中で、開発責任者の「2010年には有機太陽電池の変換効率7%程度の試作品を発表したい、また最終的には20%以上の変換効率を目指したい」という発言を紹介した。また当ブログ11月4日記事「米国の太陽電池市場調査」で、米国の太陽光発電ベンチャー企業では有機太陽電池を採用している企業の多いことを書いた。今日ご紹介するのは、大変古くて恐縮だが昨年11月3日の東京新聞記事「新太陽電池は剣山構造 東大 低コストの製造法開発」。

低コストの太陽電池づくりに突破口が開けそうだ。東京大の中村栄一教授らのチームが、フラーレンなどの有機物を材料にした新しい製造方法を開発した。生け花の「剣山」のような形に材料を結晶させるのがポイントという。米国化学会誌オンライン版に成果を発表した。

開発したのは、小さな有機物の分子を電極に塗って太陽電池をつくる方法。印刷のようにできてコストが大幅に下がる。

使う有機物はテトラベンゾポルフィリン(BP)とフラーレンの化合物(SIMEF)。この二種を基板に塗って加熱すると、BPとSIMEFが互いに針のように入り組んで結晶した美しい構造が出来上がった。その形から「剣山構造」と名付けられた。太陽光を電気に変える変換効率も5・2%と、まずまず。

中村教授は「電子を与えるBPと、電子を受け取るSIMEFが剣山のように規則的に入り組んでいるので電子を効率よく取り出せる」とみる。
...
きれいな剣山構造ができるのは、現在は太陽電池の面積の半分程度。グループでは「塗布法を工夫してBPを均一にすれば全面に剣山構造ができ、効率は10%程度に上がる」と期待する。

太陽電池の材料はシリコンが主流。その変換効率は15%前後と高いが製造コストも高い。二十年以上も前から別の材料が研究されているが、なかなか対抗馬が出ない。有機物を使えば薄くて柔らかな太陽電池ができ、弱い光でも使えるため、シリコンでは考えられなかった用途が開ける可能性もある。(C)東京新聞

有機太陽電池は有機物を塗布して作るため最終的に印刷技術を応用でき、大変廉価に太陽電池を作ることが出来るようになる。しかし欠点は変換効率の低さだ。先のブログで紹介したように、最先端企業でも2010年の目標が変換効率7%なのだ。

今回東京大学の研究グループが開発した有機太陽電池は、変換効率は5.2%。他太陽電池に比べればあまり高くはないが、塗布方法を工夫することで10%までは行けそう、とのことだ。

この新らしい有機太陽電池は、2つの有機物の化合物を使用している。2つの物質を基板に塗って加熱すると2物質が互いに入り組んだ剣山のような規則正しい形となる。このためいままでの有機太陽電池より変換効率の高いものとなった。

現在主流のシリコン系太陽電池の変換効率は15~20%程度なので、有機太陽電池が10数%まで変換効率が上がれば、充分に使えるレベルになる。なにせシリコン系太陽電池よりは圧倒的に安く製造できるので少々変換効率が低くても問題ない。もちろん狭い面積である出力を求められればシリコン系にならざるを得ないが、そうでない場合は変換効率が10数%まであれば圧倒的に安い有機太陽電池が有利であることは当然だ。

世の流れは、シリコン系は高価なシリコンを大量に使用しない薄膜系になっている。また次世代型太陽電池もいろいろ開発され、一部は実用に供されている。しかし引用記事にあるように、抜きん出た性能・価格の次世代型はまだない。かつほとんどの次世代型太陽電池は、日本には無い希少金属を使うものがほとんど。となると、資源の無い日本としてはこのような有機太陽電池は是非開発を進めなければならない太陽電池、といえる。

太陽光パネルとリチウムイオン電池をセットにした携帯充電器

2010年02月07日

外出先などで携帯電話の電気がなくなり太陽光で充電できないものか、と思っているかたは多いだろう。そのような目的で開発された製品が三洋電池のポータブルソーラーセットだ。この製品は、1枚または2枚の太陽光パネルとリチウムイオン電池から成る。太陽光パネルはもちろん三洋電機お家芸のHIT太陽電池だ。

太陽光パネル2枚の製品の場合、太陽光パネル部分のサイズは約17cmかける40cmで重量は約400g。そして太陽光パネルの最大出力は3.1ワット。通常の家庭用太陽光発電パネル1枚の1.5%程度の出力だ。

リチウムイオン電池部分は約70gだ。太陽光パネルからリチウムイオン電池に充電する場合、フル充電には南向き窓で1.5日かかる。またUSBからリチウムイオン電池に充電することも可能で、その場合のフル充電は7時間。また同電池からの出力はUSB出力で、携帯などにはUSB出力で接続する。出力容量は残念ながら大きくは無いので携帯電話程度でありノートパソコンの充電には利用できない。

このセットは太陽光パネルを持ち運んで外出先で太陽光パネルから充電することを想定しているため、太陽光パネル部分を窓に吊るすフックが2個、落下防止用ヒモが1本付いている。

三洋電機らしいアイデアの商品と思う。ちなみに価格はオープンプライスだが、価格比較サイトによると最低価格は、パネル1枚タイプが9千円、2枚タイプが1万1千円程度だ。

 
QLOOK ANALYTICS