2010年4月 | 太陽光発電 何でも情報


2010年4月

LED街路灯の新製品は電気二重層キャパシターを利用

2010年04月01日

朝日新聞サイトの3月31日付けの日刊工業新聞記事「日本ケミコンなど、太陽光発電のLED街路灯を開発」から。

日本ケミコン、スタンレー電気、タムラ製作所の3社は30日、太陽光発電パネルと電気二重層キャパシターを組み合わせた発光ダイオード(LED)街路灯「スーパー・キャレックス・トキ」を共同開発したと発表した。これを基本モデルに、立地条件などに合わせた仕様を増やすなど商品化を進める。

1号機を新潟県佐渡市のトキ交流会館に設置し、同日、関係者らが参加し除幕式を行った。太陽光パネルで発電したエネルギーをキャパシターに蓄電し、夜間にLED照明を点灯する。 (C)日刊工業新聞

太陽光発電を利用したLED街路灯の新製品の話題だ。開発したのは、日本ケミコン、スタンレー電気、タムラ製作所の3社。3社の共同開発は珍しいだろう。

この街路灯は、太陽光発電パネルで発電した電力を電気二重層キャパシターに蓄電し、その蓄電電力によりLED照明を点灯させる仕組みだ。蓄電池は通常はリチウムイオン電池と予想されるがそうではなく、電気二重層キャパシターを使用しているところがユニークだ。電気二重層キャパシターはコンデンサの一種で、内部抵抗が低いため大電力の短時間の充電・放電が可能な製品だ。EV用急速充電装置などへの応用が通常は想定される。それを、弱い電力を長時間使用するLED照明に利用するところが面白い。だが、LED街路灯に電気二重層キャパシターを使用する利点は何だろうか。思いつかない。

この電気二重層キャパシターは、開発会社のひとつの日本ケミコンの得意な製品だ。また別の開発会社のスタンレー電気にはLED街路灯の製品はあるが太陽光発電や蓄電装置と組み合わせた製品ではないようだ。

10年後には原子力発電が41%の計画

2010年04月02日

SankeiBizサイトの3月31日記事「太陽光発電所などを増設 電力10社、向こう10年間で」から。

全国の電力10社の向こう10年間の供給計画が31日、出そろった。21年度の電力需要は現在の10社態勢となった昭和47年以来初めて2年連続の前年割れとなるが、22年度からは緩やかな景気回復などから電力需要は微増が続くと予測。地球温暖化対策のため、太陽光や水力など再生可能エネルギーを使った発電所の増設や、石油火力発電所の廃止を盛り込んだ。
...
供給計画の伸び悩みは、温暖化対策と相まって発電所の構成の変化を促している。東京電力が石油と天然ガスを使う横須賀火力発電所を長期計画停止とし休眠状態に置くなど、需要急増に対応してきた石油火力の停止や廃止が相次ぐ。一方で、原子力発電や出力1千キロワット超の太陽光発電所、メガソーラーなどの整備は積極化。

この結果、発電電力の構成は21年度は原子力29%▽石油8%▽再生可能エネルギー1%-などだったが31年度には原子力41%▽石油5%▽再生可能エネルギー2%-などとなる見通しだ。

ただ、これらの計画は政府の温暖化対策の影響は織り込んでおらず、今後の環境政策次第では計画が大幅に修正されていく可能性がある。(C)SankeiBiz

産経系サイトは年度表記が元号なので紛らわしい。21年度、22年度と書いてあるので西暦かと思ったが31年度が出てくるので初めて元号表記と気が付いた。

さて今日の引用記事は、全国の電力10社の今後10年間の電力供給計画についてだ。まず2009年度の発電電力の構成は次のとおりだった。
(1)原子力  29%
(2)石油    8%
(3)再生可能エネルギー  1%

2019年度の予測は次のとおりだ。
(1)原子力  41%
(2)石油    5%
(3)再生可能エネルギー  2%

再生可能エネルギーは全く進展せず、原子力発電ばかり大きく伸びる、という予測だ。この見通しには政府の温暖化対策は入っていないそうなので、実際にはもっと再生可能エネルギーが伸びるはずだ。いや、これは電力各社の「本音」が出ている数字のようなので、再生可能エネルギーはさらに強制されないと伸びず、原子力発電のみもっと増やしたいのかもしれない。

とにかく温室効果ガス削減のためには原子力発電を増やす、という嫌なトレンドになりつつある。

温暖化対策工程表

2010年04月05日

毎日新聞サイトの4月5日記事「温暖化対策:行程表に賛否 経済効果も期待/目標実現に疑問」から太陽光発電関連話題を引用する。

◇太陽光発電/CO2排出量ゼロ住宅/次世代車-大幅増

温室効果ガスを20年までに90年比25%減、50年までに80%減実現を目指し、小沢鋭仁環境相は3月31日、50年までの政策導入目標などを盛りこんだ行程表(試案)を公表した。今後、政府は各界の意見を聞き閣僚委員会などを経て決定する。試案からみえる日本の将来像を紹介する。

試案は、25%減のすべてを国内での省エネ努力だけで達成するとし、海外での事業実施による削減効果は含まないという前提にしている。その上で、住宅・建築物▽自動車▽ものづくり(産業)▽地域づくり▽エネルギー--などの分野ごとに、50年までの主な対策の導入目標と施策を列挙している。

各分野共通の施策として、二酸化炭素(CO2)を排出すると、コストがかかる排出量取引制度と地球温暖化対策税を挙げた。

住宅・建築物分野では、住宅用太陽光発電の導入量を20年までに05年の約20倍の2500万キロワットに増やす。30年までにすべての新築住宅を見かけ上のCO2排出量がゼロの「ゼロエミッション住宅」に、50年までに既存住宅すべてに拡大する。実現のために、太陽光発電の固定価格買い取り制度を30年まで継続するほか、省エネ基準を達成することを義務化する規制も導入する。自動車分野では、20年段階で次世代車が新車販売の5割以上を占めることを目指す。
...(C)毎日新聞

日本が温室効果ガス抑制で国際的に約束していることは、
・2020年末までに1990年比で25%減
・20500年末までに1990年比で80%減
ということだ。この目標を達成するための工程表を、環境大臣が公表した。この工程表の前提は、国内の省エネ努力だけで達成する、ということだ。この工程表中での太陽光発電、住宅省エネ関連項目は次のとおりだ。

  1. 住宅用太陽光発電の導入量を20年までに05年の約20倍の2500万キロワットに増やす。
  2. 太陽光発電の固定価格買い取り制度を30年まで継続する。
  3. 住宅の省エネ基準を達成することを義務化する規制も導入する。
  4. 2030年までにすべての新築住宅を見かけ上のCO2排出量がゼロの「ゼロエミッション住宅」にする。
  5. 2050年までに既存住宅すべてに「ゼロエミッション住宅」を拡大する。

あと10年で2005年の約20倍の住宅用太陽光発電を導入する、という目標はすばらしいが、目標を実現するための導入設置補助金はさらに充実する必要があるだろう。また、固定価格買取制度の買取価格も安易に下げない努力も必要だ。その固定価格買取制度は2030年まで、つまりあと20年は継続する。ただ、やはり買取価格は下がるだろうから、太陽光発電を設置するのならあと1,2年内が望ましいと考える。

また、二酸化炭素排出量が実質ゼロとなる住宅を「ゼロエミッション住宅」というが、それを拡大する方針だ。2030年までには新築住宅のすべてを「ゼロエミッション住宅」とする目標はほぼ実現できるだろうが、そのために住宅価格がかなりアップするようでは困る。

2050面までに既存住宅すべてを「ゼロエミッション住宅」に、という目標の実現は大変だろう。ほぼ実現不可能に思う。

とはいえ、政府がこのような工程表に基づいて積極的に予算措置をするのなら、目標の実現の可能性は高まるだろう。

太陽光発電の施工資格

2010年04月06日

異業種から太陽光発電システム販売・設置業への参入が相次いだ結果、施工に起因するトラブルが耐えない。このブログの1月6日記事太陽光発電設置工事で屋根に穴でも話題にした。その記事中で、業界団体が施工の資格を検討中であることを書いた。その施工資格が動き出した。朝日新聞サイトの4月6日記事”太陽光発電、トラブル回避へ「施工士」創設へ”から一部を引用する。

政府の導入支援策を追い風に普及が進む太陽光発電で、雨漏りなどのトラブル拡大を防ごうと業界が公的資格の創設に乗り出す。メーカーや建設事業者など105社・団体でつくる太陽光発電協会や経済産業省が近く施工技術や使用部品のガイドラインづくりを始め、これを満たす個人を「PV(太陽電池)施工士」(仮称)に認定する。2011年度からの運用を目指す。
...
ただ、トラブルや苦情も増え、国民生活センターによると09年度の相談は前年度比1.5倍に。「工事中に瓦が割れて雨漏りした」「屋根の東西方向を間違えて付けられた」など施工にまつわる苦情が25件寄せられた。欠陥住宅の相談を受ける財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターにも「雪で屋根が覆われ説明より発電量が少ない」などの問い合わせがあるという。安全基準などは現在、各社が別々に定めている。

太陽光発電協会の川村誠・代表理事(京セラ会長)は朝日新聞の取材に、「国と協力し施工や販売についての公的認定制度を作りたい」と表明。経産省が近く設置する検討委員会で協会の代表や有識者が協議し、施工法や使用する部品、屋根に載せられる太陽電池の重量など様々な安全基準のガイドラインを今年度内に策定する。

そのうえでガイドラインに基づく研修などを受講した個人にPV施工士が与えられる仕組みを整え、技術不足や手抜き工事を施す業者の締め出しを狙う。当面、国家資格ではなく業界団体による認定となる見込みだが、業界団体は消費者に安心感を持ってもらい、太陽電池の販売拡大にもつなげる考えだ。(C)朝日新聞

施工資格の導入を検討しているのは、太陽光発電システムの業界団体であるJPEA 太陽光発電協会だ。この協会のメンバーを見ると、代表が京セラ社長を始めとして太陽光発電メーカーのお歴々がずらり並んでいる。JPERは国の太陽光発電設置補助金の事務作業を一手に引き受け、これが事業仕分けで問題になったことはこのブログで何回か書いた。これら大手企業が国と組んで太陽光発電システムの施工資格を作る、ということだ。

まず国(経済産業省)が施工のガイドラインを策定し、それに基づく資格をJPEAが作る。ということで、この施工資格は残念ながら国の資格ではない。

ということは、この施工資格のために国からJPEAにまた膨大な資金が流れ、太陽光発電関連大メーカーが潤うという構図は補助金のときと同じだろう。また、国がやるべき資格を業界団体がやるのだから、その資格のためのJPEA下組織は国からの格好の天下り先になるだろう。

そもそも、太陽光発電の販売・施工業者の業界団体が他にある。PVA 太陽光発電販売施工協会だ。この協会はほぼ1年前の設立なので歴史は新しい。このホームページを見ても、施工資格については書かれていない。メーカー主体のJPEAではなく、こちらのPVAで施工資格は検討すべきなのではないだろうか。

いや、太陽光発電の施工は屋根に重大な損傷を与える可能性があるので、これはやはり国の資格とすべきだろう。

安価で倍の寿命のリチウムイオン電池

2010年04月07日

朝日新聞サイトの4月5日記事「リチウムイオン電池寿命、倍の10年に 日立が開発」から。

日立製作所は5日、安価なマンガンを電極に使ったリチウムイオン電池の寿命を、10年以上へと、従来の倍に延ばす技術を開発したと発表した。風力発電や太陽光発電の設備や建設機械向けを想定した技術という。

プラス極に使うマンガンの一部をほかの元素に置き換え、達成した。

リチウムイオン電池の性能は、電極の素材に大きく左右される。携帯電話やパソコンでは、高価ながらコバルトが主流となっている。これを資源が豊富で安いマンガンに置き換えられれば、電池の値段を下げられるため、各社が開発競争を続けている。(C)朝日新聞

記事を要約すると、安価なマンガンを電極に使い寿命を倍に延ばしたリチウムイオン電池の開発に日立製作所が成功した、ということだ。非常に短い記事だが太陽光発電の将来に大きな意味を持つ内容だ。

太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーによる発電は発電電力が一定にならない欠点がある。それを補う技術がスマートグリッドで、コンピュータ制御で電力をやり繰りする技術だ。そしてスマートグリッドの発展系が、地区や家庭ごとに蓄電池を持つ仕組みだ。太陽光発電の余剰電力はすべて電力網には流さずまずその蓄電池に溜める。それを、電力不足時に近隣でやり繰りするために使用するのだ。電力網全体で電力をやり繰りするのではなく、近隣単位でコンピュータ制御で電力をまずやり繰りし、それでも不足時は遠くの電力網からやり取りする、という技術だ。この技術に必要な構成要素が、安価で高性能な蓄電池だ。今回のマンガン電極で寿命の長いリチウムイオン電池はその条件を満たしている。このような製品が続々開発されることが予想される。そうなると、近隣などの小さな単位で電力をやり取りする技術がかなり現実味を帯びてくる。

登米市の市民発電所

2010年04月09日

毎日新聞サイト宮城版の4月6日記事「登米市地域新エネルギービジョン:CO2削減へ意識向上、市がファンド構想 /宮城」から。

◇太陽光・水力発電、市民と共同で

登米市は、行政と市民が共同出資する電力エネルギーファンド方式などで、小規模な太陽光発電所や水力発電所を建設する「市民発電所」構想を「登米市地域新エネルギービジョン」の中で打ち出した。地球温暖化をもたらす二酸化炭素(CO2)排出削減に向け市民意識の向上を図るのが狙いで、今年度に細部を検討する方針。

同市は03年を基準年に15年までに市域のCO2排出量を10%削減、量にして年間4万8000トン減らす地球温暖化防止の地域計画を策定しており、ビジョンは具体化への一歩。間伐材や水辺のアシなどを固形化したペレットストーブの導入など「木質バイオマス」とともに「市民発電所」を目指す。

市民や事業所の出資を募り市費を合わせた運営ファンドを設立し、用水路での水車発電や公共施設での太陽光発電を導入し、「地産地消エネルギー」の考えの浸透を図る。出資者への還元方法など検討課題は多いが、環境問題に市民協働で挑戦する方法として注目される。先例としては山梨県都留市が水力発電ファンドを設立し、水車発電を実践しているという。(C)毎日新聞

登米(とめ)市は宮城県の北東部に位置する人口8万6千人程度の市だ。その登米市は市民と共同で出資し「市民発電所」を建設する。「市民発電所」は小規模な太陽光発電所や水力発電所、とのことだ。

これは、同市の二酸化炭素排出量を2003年基準で2015年までに10%減らす、という目標を達成するための具体策のひとつだ。

さらに具体的には次のとおりだ。市民と地域会社の出資を募り、それに市も追加出資し、運営ファンドを設立。そのファンドで用水路での水車発電や公共施設での太陽光発電設備を設置する。

小規模なので出資者への利益還元はたいした金額ではないと思うが、環境について市民に積極的に考え行動するチャンスを提供するという意味では大きな意味があるだろう。

ちなみに登米市には太陽光発電設置補助金制度がある。2010年度は、補助対象システムは市内業者が施工するシステムという条件が付く。また補助金額は補助金交付要綱によれば、1キロワット当たり3万5千円、上限12万5千円だ。市町村レベルの太陽光発電設置補助金としては若干少なめの金額だろう。

 
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