積水ハウスと三洋電機のエコハウス共同開発


積水ハウスと三洋電機のエコハウス共同開発

2009年12月15日

産経新聞サイトの12月11日記事「積水ハウスと三洋電機がエコハウスを共同開発へ」から。

太陽光発電で電力を蓄える蓄電池を搭載する省エネルギー住宅の共同開発に向けて、積水ハウスと三洋電機が提携を検討していることが10日、明らかになった。平成24年の商品化を目指し、22年中に積水ハウスの総合住宅研究所(京都府木津川市)などで実証実験を行う。

三洋の大容量タイプのリチウムイオン電池を搭載し、太陽光発電の電力や料金の安い深夜電力をためて使用する。従来の太陽光発電システムと燃料電池を組み合わせ、電力を効率的に使う新システムを共同開発していく。太陽光で発電した電力を直流のまま使えるシステムも開発し、LED(発光ダイオード)照明などに利用。住宅内で利用時、直流から交流に変換していた際の電力ロスをなくす。(C)産経新聞

以前も書いたが、産経新聞の年号表記は西暦ではなく元号といまやマスコミの少数派。元号を使う習慣の全く無い私は新聞の表記が元号だと戸惑ってしまう。それはさておき本日ご紹介するニュースは、積水ハウスと三洋電機が省エネルギー住宅の共同開発で提携、という話題だ。

この省エネルギー住宅は、三洋電機お得意の大容量タイプのリチウムイオン電池を使用し、太陽光発電による電力や料金の安い深夜電力をそれに蓄電して使用する。そのほか、直流のまま機器を使用して電力ロスを減らす。この後者の直流は、太陽光発電の将来に重要な意味がある。

そもそも太陽光発電で得られた電気は直流。リチウムイオン電池に蓄えられた電気も直流。いままではそれを一旦交流に変換して利用していた。しかしその直流交流変換にはどうしてもロスが発生し、そのロスをゼロにすることは出来ない。それなら、家庭内の電気機器を直流にすれば無駄が減るのではないか、と言う発想で、いまや直流が着目されている。しかし直流で利用できる機器は原則として販売されていない。現在は対応できる機器が販売されていないとはいえ、将来はかならず直流の時代が来る。200Vで動くエアコンは今や一般的だが以前はほとんど売られておらず高価だった。現在は100Vのエアコンと価格の違いは無い。それと同様に、直流対応機器も将来は100V交流用機器とほとんど同額で販売されることが予想される。ただ大出力のモーター系は交流の方が効率が良いことは容易に想像できるが、それ以外は直流で何の問題もない。そもそもエジソンが電力会社を世界で初めて作ったときは直流だったのだ。その後、送電の効率の良い交流が主となったが、太陽光発電や蓄電池の電源が主となる未来は直流が主と予想できるのだ。

さてこの引用記事と同一内容の他新聞を調べたが、大新聞はこの件を報じていなかった。大新聞ではないがこれを報じていたのは、サーチナ。サーチナは中国を中心とするアジアの話題のニュースサイトだ。それに報じられていた同内容記事は、上記産経新聞記事の3~4倍の長さの記事だ。その記事から、上記産経新聞では書かれていなかったことを引用する。

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積水ハウスではすでに、同社の関東・住まいの夢工場内に今月5日にオープンした全灯LED照明のモデルハウスにて、戸建住宅に搭載されたものとしては国内では最大規模となる約 8kWhの容量を持つリチウムイオン電池を先行して設置。来年度中には京都府にある同社の総合住宅研究所などにおいて太陽光発電システム等と組み合わせたリチウムイオン電池付き実験住宅を設置し、実証実験も開始していく予定で、戸建住宅だけでなくマンションなどの集合住宅などへの展開も探り、2~3年後には商品化を目指すという。

現在の電力料金システムの中では、太陽電池の発電分を売電に回す方が経済性が高く、蓄電池に貯めるメリットは低いと言われているが、将来的には低炭素社会のための次世代エネルギー利用のあり方として世界的に導入が期待されている技術だ。
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今回の共同研究を開始するにあたって積水ハウスでは、DC住宅においては法規制や制御技術、電力事業者との調整、電気設備機器ラインナップの普及など課題はあるが、未来のエネルギーを見据えて、共同研究を行うことで、それらの課題を克服し、次世代の住宅における環境に配慮した新しいエネルギー技術を創造していきたいとしている。(C)サーチナ

このサーチナの記事、なかなか良く分析されている記事だ。上記のとおり、現在の電気料金システムでは余剰電力は蓄電するよりは売電したほうが利益を得られるが、この大容量蓄電池への余剰電力の蓄電は将来は必ず必要になる技術なのだ。また直流については法整備がなされておらず、また技術的には課題があるようだ。この2社の提携によるこれらが進展することを期待する。

 
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