20年後のエネルギー元は新エネルギーが望ましいとの調査結果


20年後のエネルギーの調査

2010年04月26日

4月22日の朝日新聞サイト記事「原発より太陽光・風力に期待 首都圏500人対象の調査」から。

エネルギー総合工学研究所が首都圏の市民500人を対象にした2009年度の意識調査で、新エネルギーの普及に期待する声が前年度比1割も増えて4割に迫り、「原子力発電はやめるべきだ」とする意見も3割近くに達した。20年後の日本のエネルギー源として、原子力よりも太陽光や風力発電に期待していることが浮かび上がった。

03年度から東京駅30キロ圏内に住む成人男女を無作為に訪問、調査票で調査した。20年後の日本で最も多い電源を聞いた調査では、太陽光、風力、地熱などの新エネを挙げた人は、昨年度より10.6ポイント高い36.6%と急増。20年後に新エネを主要エネルギーに「できる」「どちらかといえばできる」とした人は、76.2%に上った。

一方、原発を「すぐにやめる」「徐々にやめていく」とした人は、03年度の34.8%から減り続けて08年は16.0%だったが、09年は28.2%まで急増した。ただ、原発を有用とする人は56.0%とほとんど変わらず、原発の信頼性についても「適切に運営」「どちらかといえば適切」とした人は44.6%いた。
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結果は20日、国の原子力委員会で報告された。(C)朝日新聞

エネルギー総合工学研究所の、電力エネルギー元に関する調査の記事だ。エネルギー総合工学研究所とはまったく聞いたことのない名前だが、この組織は、1978年に当時の通商産業省から設立認可を得た財団だ。2008年には(財)原子力発電技術機構の事業を継承し、内部に「原子力工学センター」を開設していることから、原子力発電を推進する立場の財団であることがわかる。その財団の調査なので、調査結果には色の付いていることが予想できる。調査というものは質問の設定の仕方で数十%の違う結果を生ませることが可能だからだ。新聞の世論調査も同じだ。ある政策についてマイナス点を強調しておいてからその政策に賛成・反対を問えば反対が多くなる。またそのような強調がなくても、設問の順番を変えれば結果が変わる可能性は充分にある。現在の大新聞の世論調査は、現政権の追い落としが前提の世論調査のように思えて仕方ない。。。と話がずれてしまったので本題に戻る。

このエネルギー総合工学研究所の調査は2003年から行われている。20年後の日本で最も多い電気エネルギー元として自然エネルギーが望ましい、との回答は約37%に上り、これは前年度より11ポイント高い数字となったそうだ。この自然エネルギーは、太陽光・風力・地熱などだ。たった1年で11ポイントも増えた原因は、やはり太陽光発電の急速な普及によるところが大きいだろう。また、これらのエネルギーが20年後に主要エネルギーになり得るかと言う質問に対して、76%もの人がそのように回答した。これは、これらのエネルギーが20年後には主要エネルギーでありたいと大多数が考えているということだろう。

また原子力発電所についてやめるべきとの回答は、前年度の16%から28%まで急増した。これは太陽光エネルギーなどの安全なエネルギーの普及により環境に危険な原発はいらない、という市民の声だろう。

最後が面白い。原発を有用と考える人は56%、原発が適切に運用されていると考えている人は45%もいるのだ。これは最初に書いた、質問のしかたで結論を誘導している結果だろう。たとえば
「太陽光発電は日照に左右されるため安定した電力供給は難しい欠点があります。一方、原子力発電所は安定した電力供給が可能です。あなたは原発を有用と考えますか?」
という質問には、やはり原発は有用と回答する人が増えることは充分に予想できる。

この調査、原発推進という立場が前提と理解したうえで結果を見ると、それなりには役にたつ結果だ。

 
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