郡上市の古民家に自給自足型のエネルギー供給システム導入


自給自足型のエネルギー供給システム

2011年04月02日

このたびの大震災で、被災地には長期間孤立した集落があった。また首都圏でも、地震直後の長時間の停電、その後の計画停電という、電力が供給されずに不便を強いられた状況がある。このような状況でも電気エネルギーを自給できれば、特に孤立集落で電気エネルギーが自給できれば、災害復旧に大きな利点がある。

今日ご紹介する記事は、東日本大震災前の2月23日の毎日新聞サイト記事「自給自足型エネルギー供給システム:太陽光、水車など活用 災害時に効果期待 /岐阜」だ。一部をご紹介する。

(岐阜)県は22日、太陽光や燃料発電に加えて新たに小水力発電を加えた自給自足型のエネルギー供給システムを全国で初めて開発し、郡上市の古民家に導入したと発表した。河川が豊富にある中山間地向けで、普及が進めば、災害時に集落が孤立してもエネルギーを自給できるという。

システムは民間企業やNPO法人と共同で開発し、郡上市明宝にある築100年の古民家に導入した。太陽光発電の最大4・2キロワット、燃料電池の同0・7キロワットに加え、水車式の小水力発電でも最大0・5キロワットを発電する。薪(まき)ストーブも組み合わせた。余った電気は、鳥獣対策用の電気柵へ回す。

県によると、県内の約500集落は災害時に孤立する恐れがある。古田肇知事は22日の会見で「エネルギーを自給自足できるように持っていければ」と述べ、システム普及が進み、災害時に孤立した集落で効果を発揮することを期待した。

古民家は住宅として使われており、実証実験を続けて二酸化炭素排出抑制効果を調べ、データを公開する。3月25日には見学会が予定されている。今後も随時見学会を企画する予定。...

岐阜県郡上市の話題だ。自給自足型のエネルギー供給システムが郡上市の古民家に導入された、とのこと。この自給自足型エネルギー供給システムは次の特徴を持つ。

  1. 太陽光発電システム: 4.2キロワット
  2. 燃料電池: 0.7キロワット
  3. 水車式小水力発電: 0.5キロワット
  4. 薪ストーブ

3つの系統の発電能力は計5.4キロワットにも上る。夜は太陽光発電は使用できないが、残りの2つで計1.2キロワットなので、エアコンを使わなければ十分な発電量だ。

なお太陽光発電で余った電気は鳥獣対策用の電気柵へ回す、とのことでこれは都会の人には無い発想だ。このシステムは完全に自給自足を目指したシステムなので、余剰電力の電力会社系統への売電は考えていないようだ。

岐阜県によると、県内の500集落は災害時に孤立する恐れがあるとのことで、このシステムが普及すれば災害時に大きな効果が期待できる。

もしこのシステムを都会の停電時向けに敷衍するとすると、次のことを検討する必要がある。
(1)余剰電力の売電を可とする。系統連携となるので、停電時に自給システムへの切り替え用コントローラが必要になる。
(2)薪ストーブではなく、省エネタイプエアコン。なお停電時は一部のブレーカーのみON、のようなシステムも必要となるだろう。
(3)バッテリ導入による、夜間の電力供給。これが無いと、停電時に燃料電池システムは動かない。バッテリーチャージコントローラも必要になる。
(4)水車式小水力発電は都会では無理。小規模風力発電が代替になり得る。

自給自足型エネルギー供給システムを都会向けの停電対応にするには検討課題は上記のとおりかなりあるようだ。そもそも都会人は今までのエネルギー大量消費生活を見直す時期に来た、と私は思う。それが、今回の原発事故の教訓の一つだ。

 
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