ヨーロッパでの原子力発電所回帰


ヨーロッパでの原子力発電所回帰

2009年10月19日

なんとも気になるニュースだ。時事通信社サイトの10月17日付記事「欧州で原発回帰が加速=エネルギー安保、温暖化対策で」から。

欧州では、原子力発電所の稼働期間延長や新規建設など「原発回帰」の動きが加速している。エネルギー安全保障の確保や、温室効果ガスの排出抑制といった原発の役割が再評価されていることが背景にある。

ベルギー政府は、国内に7基ある原発を2015~25年に段階的に閉鎖するとしていた従来方針をこのほど見直し、一律25年までに廃止すると方針転換した。稼働40年を経た3基は第1弾として15年に閉鎖する計画だったが、事実上、閉鎖時期を10年先延ばししたことになる。

同国政府は「エネルギー安全保障の確保、二酸化炭素(CO2)排出の抑制、電力価格の安定」が稼働期間延長の理由と説明している。

ドイツでも、近く発足するメルケル首相率いる中道右派連立政権はこのほど、20年までに国内の原発を全面閉鎖する政策を放棄することで合意した。

同国は温室効果ガス排出量を20年までに1990年比で40%削減する国際公約を掲げている。そのために国内電力需要の3分の1を、太陽光発電など再生可能エネルギーによって確保することを目標としているが、現時点では約12%にとどまっている。

メルケル政権は、再生可能エネルギーが信頼できる安定的なエネルギー源に成長するまでの「中継ぎ」として、既存原発の活用を図る考えだ。同国では現在17基の原発が電力需要の約3分の1を賄っている。

イタリアも既に脱原発の方針を転換し、新規建設の再開を決めている。(C)時事通信社

欧州各国は、脱原発の方針を撤回し始めた。ベルギー、ドイツ、イタリアがそうだ。ドイツの脱原発政策は先進的だったため広く知られていたが、その政策を放棄した。

その理由のメインは、CO2削減の国際公約を果たすため、だ。CO2削減の目標に達していないため、目標を達成するために「中継ぎ」として原発に依存することに決めた、とのことだ。しかし本当に中継ぎだろうか。

本来はCO2削減は太陽光発電の普及を中心として達成する予定だった。それが遅れていることでこのような事態になっている。しかし太陽光発電を中心とする電力供給は、いままでにはどの国も経験がない。太陽光発電では、電力の安定供給、そして廉価な供給に不安を持つ政治家が原発復活に走っているのではないか。

この事態を私は以前から警戒していた。恐らく日本もこの風潮になるに違いない。CO2削減と原発復活は表面的には矛盾していないが、無害な再生可能エネルギーの観点からは大きな矛盾を含んでいる。日本でのこの動きに十分警戒しなければならない。

 
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