富士電機システムズのフィルム型アモルファス太陽電池


富士電機システムズのフィルム型アモルファス太陽電池

2010年01月18日

企業プレスリリースサイト"@Press"の1月13日付記事「川口スチール工業、超軽量産業用薄膜太陽電池パネルを開発し新オープンの東京支社にて販売を開始! ~太陽電池の設置が難しかった工場・学校やショッピングセンターに対応~」から一部を引用する。

株式会社川口スチール工業(本社:佐賀県鳥栖市、代表取締役:重富道人)は、工場・倉庫・公共施設・学校・体育館・ショッピングセンターなど、強度上の問題から太陽電池設置が難しい施設に太陽電池を設置することができる超軽量産業用薄膜太陽光発電システム(以下 本システム)を開発し、2010年1月に新設した東京支社(所在地:東京都渋谷区)にて販売を開始しました。

【建物強度問題を解決】
このたび開発いたしました太陽光発電システムは、産業施設など太陽電池自体の設置が困難な場合でも、設置に伴う強度補強や従来の取り付け架台なしに太陽電池を設置できます。

【厚さはわずか1mm】
モジュール単体の厚さはわずか1mm(フィルム0.1mm/太陽電池0.1mm/フッ素鋼板0.8mm)で、従来のガラス基板を使用した太陽電池に比べ、重量は約7分の1です。

【曲面屋根への設置も可能】
本システムで使用する太陽電池は、プラスチックフィルムを基板に用いたフィルム型アモルファス太陽電池です。

モジュールを屋根や外壁に応じて当社独自の加工を行いますので、建物への荷重負荷が少なく大面積化を可能にいたしました。
薄いフィルム状で屋根や外壁への曲面設置など、取り付けの自由度も飛躍的に向上し、設置する状況や用途に応じて最適な形で導入できます。

【既存屋根への穴開けは不要】
既存の工場や倉庫屋根に使用されている長尺折板・波型スレート屋根材に設置することが可能です。

フィルム型アモルファス太陽電池を鋼板に接着した一体型太陽電池を、当社が開発した軽量の専用金具で固定いたしますので、既存の屋根にビス穴等を開けることなく設置できます。
特に、倉庫等に多く使われているスレート屋根に対しては、既存スレート屋根の加工が不要なカバールーフ工法にて施工します。
...(C)@Press

今日話題の川口スチール工業は佐賀県鳥栖市の企業。このたび超軽量の産業用薄膜太陽電池パネルを開発し販売を開始する、とのことだ。この太陽電池パネルはプラスチックフィルムを基板に用いたフィルム型アモルファル太陽電池で、厚さはなんと1mmで、重量は従来の1/7。この特徴のため、補強や取付架台設置の必要なく太陽電池を設置できるため、体育館やショッピングセンターへの設置が簡単に出来る。

また既存屋根に穴を開ける必要がなく設置でき、また、長尺折板・波型スレート屋根材に設置することも可能。フィルムが基板なのでこのようなフレキシブルな設置が可能なのだ。

この製品についてさらに調べるため、同社のホームページ産業用・公共用太陽光発電システム設置を開始を見ると、長尺折板・波型スレート屋根材へのパネル一体型太陽電池設置のイメージ図があり、またフィルム状の太陽電池の図もあり、それらの概観がよくわかる。

この製品についての報道記事ページにある佐賀新聞記事を見ると、この製品が開発されたことは昨年9月2日に報じられていた。上記引用のプレスリリース記事を良く読むと、このプレスリリースは「1月に新設した東京支社にて販売を開始」というプレスリリース記事だった。

さてこの佐賀新聞記事によると、この薄膜太陽電池は富士電機システムズ製。そこで富士電機のフィルムタイプ アモルファス太陽電池ページ見ると、構造がよくわかる。

この太陽電池は、次の2層から成る。
(1)トップセル:アモルファスシリコン(a-Si)太陽電池
(2)ボトムセル:アモルファスシリコンゲルマニウム(a-SiGe)太陽電池
トップセルは低波長、ボトムセルは高波長の光の吸収効率が高いので、全体とすると広い波長にわたって吸収効率の良い太陽電池になっている。このスペクトルの広さは単一太陽電池では難しいだろう。

さらに詳細な特徴は、Q&Aページにある。一部を引用する。

Q:アモルファス型の特長は何ですか?
A:高温時の発電効率低下が少ない、製造に必要なシリコン量が約1/200以下と省資源かつ低コストであるなどの特長があります。ただし、結晶型と比較して発電効率が低いため必要な設置面積は大きくなります。

Q:曇りや雨のような天気の悪い日でも発電できますか?
A:アモルファスシリコンは短い波長の光まで吸収して発電できる点で有利です。明るさにもよりますが、曇や雨天時にわずかずつでも発電することができます。

Q:紫外線などによりフィルムが劣化し、耐久性や発電効率に影響を与えませんか?
A:フィルム材料には耐久性にすぐれたフッ素系フィルムのETFE (Ethylen Tetrafluorethylen)を用いており、20年以上の耐久性を確認しています。

Q:フィルムはどの程度まで曲げることができますか?
A:保管時なら最小半径100mm程度まで曲げても大丈夫ですが、実際の設置においては発電効果を考慮して半径1m以上を推奨します。
...(C)富士電機システムズ

ということで、この富士電機の薄膜太陽電池はかなりユニークな製品だ。その販社のひとつが、最初に引用した川口スチール工業ということだ。

Q&Aの最初にあるとおり、薄膜シリコン型太陽電池は高価なシリコンの使用量が少なくて済むため今後の普及が期待されている。ただ従来の単結晶シリコン型太陽電池に比べると効率は若干低いが、その欠点を補う様々な工夫を各社が行っている。今回の富士電機の二層化もその工夫のひとつだ。それをもってしても効率は若干低いので、大面積の屋根の産業用を想定した製品になっているのだろう。

 
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