国立公園内の地熱発電は公園外からの斜め掘りで可


国立公園内の地熱発電は斜め掘りで

2011年06月13日

毎日新聞サイトの6月11日記事”地熱発電:国立公園の外から「斜め掘り」 十和田八幡平”から一部を引用する。

三菱マテリアルと東北電力が地中を斜めに掘る技術を利用して、国立公園の直下にある地熱エネルギーを使う発電を計画していることが11日、分かった。日本は地熱資源の約8割が国立公園など自然公園に存在するとされるが、開発が厳しく制限されていた。しかし、政府は10年6月、景観に配慮した開発を認めるよう規制を緩和した。実現すれば斜め掘りを利用した日本初の地熱発電となり、他地域の地熱活用にもはずみがつきそうだ。

三菱マテリアルは7月、十和田八幡平国立公園から0.5キロ離れた澄川(すみかわ)地熱発電所(秋田県鹿角市)から掘削を開始。地下2.4キロの地点まで井戸を斜めに掘り進め、年内に約0.5万キロワット分の蒸気が生産できる。蒸気を利用した発電は東北電力が行う。同発電所は現在約3.5万キロワット分の発電能力を持つ。ほぼ真下の地熱資源を利用しているが、国立公園直下の方が、より高温で発電に適した蒸気が得られるという。

自然公園の地熱資源は政府が1972年、景観保護などを理由に「(すでに)発電所がある6地点以外は、新規開発を推進しない」と通達を出し、活用を制限してきた。しかし、10年6月、再生可能エネルギーを有効活用するため、規制を見直す方針を閣議決定。斜め掘りは地表の自然景観に配慮しているとして、環境省も許可に動き始めた。東北電力が秋田県湯沢市の上(うえ)の岱(たい)地熱発電所で同様の許可を取得している。

経済産業省などによると、日本はインドネシア、米国に次ぐ世界3位の「地熱資源国」。原発約20基分にあたる推定2000万キロワット超の地熱資源がある。しかし、原子力や火力に比べてコストがかかるとして、54万キロワット分しか活用されていない。自然公園にある資源を有効活用できれば、規模拡大によるコスト低減も期待されている。ただ、地熱発電は、温泉事業への悪影響を懸念する声があり、地元の理解を得ながら開発を進める必要がある。(C)毎日新聞

この引用記事の最後の部分のとおり、日本はインドネシア・米国に次ぐ世界3位の「地熱資源国」だ。その地熱資源は、なんと原発20基分の2000万キロワット超、だそうだ。しかしいままで日本では、1972年以来、地熱発電の新規設置が制限されてきた。それは、地熱発電に適した場所が国立公園などの自然公園内に存在するからだ。しかし2010年6月にこの制限の見直しがやっと行われた。

今日の話題は、国立公園中で地熱発電を可能にする、「斜め掘り」の技術だ。これは、解説図を見たほうがわかりやすい。国立公園の外から国立公園下の地熱発生源まで斜めに掘削する、という方法だ。

この技術を使用する最初の地熱発電所が、秋田県鹿角市の澄川地熱発電所だ。この発電所は、斜めでない、旧来の直下ボーリングによる方法で、3.5万キロワットの出力がある。これは35メガワットだ。地熱発電は太陽光発電に比べるとかなり大規模だ。太陽光発電のメガソーラーは数メガワットが普通という世界だ。そして今回の斜め掘りにより、より地熱発電に適した蒸気が得られるとことで、その分の発電量は0.5万キロワット、つまり5メガワットとのことだ。

この地熱発電については、当ブログでは4月8日記事「ニュージーランドの地熱発電所に東芝が受注」に書いた。その最後に、ニュージーランドでは原子力発電を放棄し電力需要の7%もの量を地熱発電で賄っている、との記述がある。日本も、世界3位の地熱資源国なのだから、本気で取り組めば原発依存度をどんどん下げてゆくことが可能なはずだ。

しかし地熱発電にも欠点はある。それは、近隣の温泉の湧出量に影響が及ぶ場合があるからだ。その影響の事前評価も困難がある。このあたりを克服して、今後の地熱発電の進展に期待したい。

 
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