地熱発電の規制が緩和され国立公園付近も可


地熱発電の規制が緩和

2012年02月15日

このブログは太陽光発電の話題がメインだが、それ以外の自然エネルギーにも時折触れている。今日は久しぶりに地熱発電の話題だ。毎日新聞サイトの2月14日記事「地熱発電:国立公園内の開発基準を緩和…環境省方針」から一部を引用する。

環境省は14日、再生可能エネルギーの導入促進に向け、国立公園内での地熱発電の開発基準を緩和する方針を決めた。一切の開発を禁止していた同公園「特別地域」の一部で、地域外からの傾斜掘削による地下の地熱資源利用に限り容認する。これに伴い、同地域などでは全国6カ所でしか地熱開発を認めなかった1974年の通知を破棄する。

自然保護や地熱発電の関係者による同省の検討会が同日、緩和に合意した。同省は3月中に新たな基準を通知する。

国立公園は優れた自然景観や貴重な生物多様性の度合いで特別保護地区▽第1~第3種の特別地域▽普通地域--に分けて管理され、普通地域以外は開発が厳しく制限されている。

緩和されるのは、開発禁止区域のうち第2種、第3種特別地域の地下資源の利用だ。具体的には国立公園外や公園内の普通地域から斜めに井戸を掘削し、発電用に熱水などを活用できるようにする。地上の景観には影響しないためで、地域内で垂直に井戸を掘ったり、地上に発電設備を設置したりするのは認めない。

地熱発電は地下の熱水などを利用し、地上に設置した施設で発電する再生可能エネルギーで、風力発電や太陽光発電と異なり出力がほぼ一定で安定しているのが特徴だ。火山国の日本は資源が豊富で、資源量としては約3300万キロワットあるが、このうち7割以上は特別保護地区内や第1~3種特別地域内にある。
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この日の検討会で地熱発電関係者から「普及拡大に向けた一歩前進。一層の基準緩和を望む」と歓迎の声が上がった。一方、自然保護関係者からは「国立公園は国民の宝で、なるべく手をつけずに保護し続けるべきだ」と開発が加速することへ懸念する声もあった。(C)毎日新聞

国立公園に隣接する地熱発電所は、国立公園外から斜めに井戸を掘るやりかたで熱水を得る方法が認めらる、というニュースだ。

あれ~~っ、変だ。何が変って、このブログの昨年2011年6月13日記事「国立公園内の地熱発電は斜め掘りで」に書いたとおり、昨年6月の時点でこの基準は緩和されているはずで、事実、そのときのブログに書いたように、澄川(すみかわ)地熱発電所(秋田県鹿角市)でその斜めに掘るやりかたでの地熱発電所建設が進んでいたのだ。かつその時点で、秋田県湯沢市の上の岱地熱発電所で同様の掘り方の許可を取得している、ということなのだ。それから8ヶ月経ったいま、同じような内容で規制が緩和された、というのは理解できない。

そもそも上記引用記事にも問題がある。地熱発電の規制緩和で一番問題になるのは、温泉だ。地熱発電所が熱水を取ることで、近隣の温泉の湧出量が減ること、また温泉の成分の変化が予想されるためだ。その温泉について、上記毎日新聞記事が触れていないのはおかしい。地熱発電を推進しようとすると一番問題になることだからだ。

それから、政府のやり方もおかしい。環境省のサイトで地熱発電について調べてみた。温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)ページは、題名の如く、地熱発電による温泉の影響についての考え方について政府の立場でまとめた文書だ。これを見ると、地熱発電の仕組みや地熱資源についてよくわかる内容となっている。これ自体は問題無いのだが、問題があるのは、このガイドラインについてのパブリックコメントを現在も募集中、ということだ。「温泉資源の保護に関するガイドライン(地熱発電関係)(案)」に対する意見の募集について(お知らせ)によると、この前記ガイドラインについての意見を、2月22日まで募集する、とのことだ。ということは、今はまだ意見を募集期間中なのに、地熱発電を優先しその推進のための規制緩和を決めてしまった、ということになり、これは非常に問題だ。

今日引用の毎日新聞は、このようなことをしっかり書くべきだ。それがマスコミの責任だろう。

なおこのブログとしては、「地熱発電は推進すべきだが温泉を初めとする環境との調和を図りながら住民の充分なる了解の元に推進すべき」という立場である。

 
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