来年度の太陽光発電設置補助金は無し


来年度の太陽光発電設置補助金は無し

2009年11月28日

政府の行政刷新会議は、来年度予算の概算要求から無駄を洗い出す「事業仕分け」の最終日である昨日(27日)、太陽光発電に関する極めて重要な決定をした。なんと、太陽光発電設置補助金(予算要求額412億円)が認められなかったのだ。これは大変な事態だ。この件を新聞各社がどのように報じているのか、調べてみた。特に、認められなかった原因をどのように報じているのか、これが重要だ。

・朝日新聞サイト
”住宅用太陽光発電への補助金「予算見送り」 事業仕分け”という記事で、この問題に特化した記事が朝日新聞サイト11月27日記事にあった。新聞記事としては字数は多いほうの記事だ。しかし中身は非常に薄く、認められなかった原因についての言及は無かった。最近思うのだが、朝日新聞の記者さんは短いスペースでどれだけ多くの情報を伝えるか、という訓練をしていないのではないか。この記事のように冗長な記事が多いように思う。

・毎日新聞サイト
この件の記事が無かった。もちろん事業仕分けの記事はあるが、事業仕分けでの太陽光発電に関する記事は無し。ちょっと信じられない。

・読売新聞サイト
「仕分け終了、成果1兆円台半ば…削減3兆遠く」という事業仕分けの記事が、読売新聞サイトの11月28日付記事中にあった。その中で、認められなかった原因は

太陽光発電設備を取り付ける家庭向けの補助金事業が委託事務費の高さなどを批判され「予算計上見送り」となった。

と書いてあるのみ。なるほど、この補助金は委託事務費が高いのか、ということはわかった。

・東京新聞サイト
「太陽光発電補助は見送り判定 公務員宿舎建て替え見直し」という記事が、東京新聞サイトの11月27日付記事中にあった。その中で、認められなかった原因は

住宅への太陽光発電導入を促進するための経済産業省の補助金(要求額412億円)について「事務費が高すぎる」などとして予算計上を見送り、制度を見直した上で必要があれば、あらためて予算要求するよう求めた。

と書いてあった。やはり事務費が高いことが原因だ。そして仕分け人たちもこの補助金が重要であることはわかっている。しかし、事務委託先に問題があるのだろう、というニュアンスは私にもわかった。しかしその委託先がどのような組織であるかは、残念ながら記述がなかった。

・東京新聞紙面
東京新聞11月28日11版S経済面8ページに、”「太陽光」補助バッサリ”という記事があった。サブタイトルは、”設置費用 仕分け人「企業支援だ」”とある。これは一歩踏み込んだ内容と期待できる。一番重要な箇所を引用する。

しかし、仕分け人はメーカーなどでつくる団体が事務作業を請け負っていることを問題視。「これは業界補助だ。なぜメーカーの利益になることをやり、おみやげまで付けるのか」とかみついた。

と書いてあった。しかし残念ながら、その業界団体の名前は出していなかった。

そうなのだ。問題の根底は、補助金の事務委託先が太陽光発電関連メーカーの業界団体であるJPEA 太陽光発電協会である、ということなのだ。実際にこの補助金の事務を一手に引き受けているのはJ-PEC 太陽光発電普及拡大センターだが、このJ-PECはJPEAの組織の一部なのだ。JPEA太陽光発電協会は一般社団法人で、代表理事は京セラの社長さん。理事には以下、国内の有力太陽光発電メーカーの役員が名を連ねている。

そもそも、太陽光発電設置補助金で最終的に利益を得る会社が一手にその補助金事務を引き受けている、ということは非常におかしい。そしてその事務委託費も高額、ということだ。これは仕分け人の勝ちだ。

経済産業省は、太陽光発電メーカーとは全く関係の無い組織に補助金の事務委託をすべきだ。そのように補助金の体制を変えないと、この補助金が復活折衝で認められる可能性はゼロだろう。

なおこのJPEA太陽光発電協会には天下りの元お役人さんが複数いるような気がするが、確認できなかった。確認したらこのブログで報告する。

そして最後にひとつ言っておかなければならない。一番重要なことを全く書かずに冗長な記事でお茶を濁した朝日新聞の堕落ぶり。朝日新聞は権力や大企業にいつも批判的でなければならない、というマスコミの本道を忘れたのか。朝日新聞は巨大な赤字を抱え経営危機に陥ってからというもの、権力、特に自民党と大企業寄りの記事が多く、マスコミの風上にも置けない、どころか風下に追いやりたい存在になってしまった。そして上記の新聞各社の比較を読めばわかるとおり、東京新聞にはかろうじてマスコミ精神が生き残っているようだ。

 
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