宮城県の環境税に対するパブリックコメント


宮城県の環境税に対するパブリックコメント

2010年01月28日

当ブログの昨年12月7日記事「宮城県の独自の環境税」で、宮城県が独自に導入を検討している「みやぎ環境・エネルギー税(仮称)」について書いた。この新税の税額は、個人が年に8千円と、全国一高い。この新税について県はパブリックコメントを県民に求めていたが、それが20日に締め切られた。1月27日付の朝日新聞サイト宮城版記事「環境税、県民から疑問3点」から一部を引用する。例によって朝日新聞の記事は冗長なので、コメント中心で引用する。

...県は新たな環境税へのパブリックコメント募集を締め切った。県民から集まった19件の意見などからは「個人負担が多くないか」「税率は妥当か」「効果が不透明」という疑問が投げかけられた。...

(1)重い個人負担
...
コメントで寄せられた主な疑問点の一つは「個人と法人の負担バランスはとれているのか」だ。県は年16億円の税収増を見込むが、内訳は県民負担13億円に対し、企業の負担は3億円。県民の負担が格段に多い。

県税務課は「同じ負担割合にすると、1社当たりの負担が大きくなり過ぎる」と説明する。対象は県民106万人に対し、法人は5万社に限られる。すでに企業誘致などのため、企業の法人事業税に上乗せする「みやぎ発展税」を08年に導入した経緯もあり、企業負担が過重になることを避けたという。

新税の県民負担は1人あたり年1200円。法人は資本金に応じて年2千~8万円になる。

(2)税率は妥当か
もう一つの懸念は「税率の妥当性」。同種の「環境税」は全国30県が導入しているが、宮城は県民負担が最も高い。

県は、他県が税収の使い道を森林保全に限っているのに比べ、宮城は環境配慮型の産業振興にも充てるため、より多くの税収が必要だとしている。県側は「二酸化炭素(CO2)の吸収量を増やすだけでなく、そもそも出さないことを目指す」。エコカーや省エネ商品の普及、太陽光発電や風力発電の推進も盛り込む県の事業計画規模は、5年で100億円超だ。

...県民のコメントでは「県の事務費の見直し努力をしなければならない」と行革努力を求める声も出た。

(3)見えない効果
「効果が見えない」ことも疑問視されている。課税や税収による環境対策でのCO2削減効果を、県が示していないからだ。

「目標を明示した上で負担をお願いすべきではないか」。21日の県議会総務企画委員会でも、高橋長偉議員(自民)が指摘した。石山英顕・県総務部長は「成果、目標なども認識できるよう取り組まなければならない」と前向きな回答だったが、森林整備には何十年もの期間が必要で、得られる効果は試算しにくい事情もあり、効果を示せるかどうかは不透明だ。

パブリックコメントには「環境対策の先送りは避けるべきで、やっていただきたい」と賛成意見もあった。...(C)朝日新聞

この新税の概要は県の「(仮称)みやぎ環境・エネルギー税」についてのとおりだ。また宮城県の環境政策も参考になる。

寄せられたパブリックコメントの件数はたった19件と少ない。この件数では、パブリックコメントが公募されていることを広く告知しなかったのではないか、と県の姿勢に疑問を持たざるを得ない。

それはさておき、県民の意見は次の3つに集約されるようだ。
(1)重い個人負担
この税は個人と企業では個人により多くの負担を求めるようになっている。企業優先のいかにも旧来の自民党的考え方だ。県側の説明の「同じ負担割合にすると、1社当たりの負担が大きくなり過ぎる」は論理的ではない。同じ負担率にしなくても、最終的な税収が個人より企業からが多くなるような税率を設定すればよいだけの話だ。

(2)税率は妥当か
全国で最も高い税額に県民から疑問が出るのは当然だ。北欧の高い税額に住民が納得しているのはその使い道の正当性・透明性の故だ。この環境新税も、使い道をもっともっと具体的にし、住民オンブズマンが監視するしくみを作れば、もう少しは支持が得られるのではないか。

(3)見えない効果
すべての税金の効果に「評価」を求める昨今の風潮に私は組しない。文化政策などに評価は馴染まないからだ。しかしこの環境税については、どのような効果があるのか数値化がもっと必要だろう。それというのも、宮城県の環境政策を見ても総花的過ぎて、宮城県が環境政策として一番やりたいことが全く見えてこないからだ。

結論として、住民オンブズマンが新税の使い道・使い方を監視することと、新税の効果についての数値化目標設定、の2点が実現できれば、この環境税はある程度、宮城県民に受け入れられるのではないか。

 
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