宮崎大・大同特殊鋼の集光型太陽光発電システム


宮崎大・大同特殊鋼の集光型太陽光発電システム

2009年10月22日

このブログの10月16日記事「台湾の集光型太陽光発電システム」と、10月18日記事日本の太陽光追尾装置+ガリウム砒素型太陽電池の例の2つの記事で、集光型太陽電池について書いた。今日も集光型太陽電池の話題で、先の10月18日記事と同じ会社の大同特殊鋼だ。10月17日読売新聞サイト記事「宮崎大に最大規模の集光型太陽光発電装置 大同特殊鋼と共同開発」から。

太陽光発電を共同研究している宮崎大と大同特殊鋼(名古屋市)が、国内最大規模の集光型太陽光発電装置を宮崎市学園木花台の同大キャンパスに設置した。今後、気象状況と発電に関する資料の集積と、分析や耐久性の研究を重ね、国内での装置普及や効率化を目指している。

この装置は、アクリルレンズ(16センチ四方)で光を集め、小型で高性能の太陽電池(5ミリ四方)に照射して発電する。このレンズと太陽電池を多数並べた発電パネル(縦7メートル、横10メートル)が、最適な角度で光を受けられるよう自動的に太陽の位置を確認する。最大で14キロ・ワット発電でき、大学内で消費する。

同大と同社によると、集光型太陽電池は、現在主流のシリコン系太陽電池と比べて約2倍の発電量がある。材料費もシリコン系では1平方メートル当たり1万円かかるが、アクリルレンズだと3000円に抑えられる。
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今後は、気象条件と発電量の関係を少なくとも5年以上かけて継続的に計測する。風雨やほこりなどに耐えられる構造と材料の研究のほか、太陽の方角を追うための可動部のコスト削減といった課題に取り組む。今年度内に同じ型の装置をさらに1基設置し、図書館や研究棟の屋上にも別の形式の発電装置を置くことにしている。

16日には、同大で装置の完成式があった。研究責任者で同大工学部の西岡賢祐准教授は「このシステムはヨーロッパで特に伸びている。今後は一般への普及と高効率化に向けた研究を進め、宮崎を日本における太陽光発電の拠点にしたい」と話した。
...(C)読売新聞

宮崎大と大同特殊鋼は太陽光発電で共同研究しているとのこと。両者は、国内最大規模の集光型太陽光発電装置を宮崎大キャンパスに設置した。

この記事で、集光型太陽電池の詳細がやっとわかった。

この集光型太陽電池は、16センチ四方のアクリルレンズで光を集め、5ミリ四方の高性能太陽電池に光を照射して発電する仕組みだ。この太陽電池を並べたパネルのサイズは、7メートル×10メートルで、太陽追尾装置が付いている。

太陽電池そのものは「高性能太陽電池」と書いてあるだけだ。しかし16センチを5ミリに集光する、ということは、光の照射面積は約1割に縮小するわけだから、高温になることが予想される。通常のシリコン型太陽電池は温度上昇とともに効率は下がるのでこのタイプではない。やはり、先にこのブログで書いたものと同じ、高温に強いガリウム砒素型太陽電池だろう。

このガリウム砒素型太陽電池は高価だが設置面積の約1割の太陽電池面積があればよく、また集光には非常に安いアクリルレンズを使用するので、価格は高くはならない。そして同一面積の通常のシリコン型太陽電池による太陽光発電システムより効率の良い発電が可能だ。引用記事によれば、2倍の効率とのこと。コストが2倍未満であればこの集光型太陽電池による太陽光発電システムが有利だ。今後このタイプのシステムからは目が離せない。

 
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