三菱化学が塗る太陽電池を実用化


塗る太陽電池

2011年07月20日

朝日新聞サイトの7月19日記事「塗る太陽電池、実用化めど 三菱化学、13年春ごろ発売」から一部を引用する。

ビルの壁や車のボディーで使える「塗る太陽電池」の実用化のめどが立った。従来の太陽光パネルでは置きにくかった場所に塗ることができ、量産もしやすい。2013年春ごろに出回ることになりそうだ。

三菱化学が、光を電気に換える効率が実用レベルの10%を超える試作品づくりに、世界で初めて成功した。従来のガラス板で挟む結晶シリコンではなく、炭素化合物を使う。乾いて固まると「半導体」の役割を果たすようになり、配線を施せば、光に反応して電気を起こす。

煙突や高速道路の屋根など丸みがある物のほか、衣服など曲がる素材に対応できる。通常の太陽光パネルはガラス込みで厚さは数センチ必要だが、この方式だと1ミリ弱で済む。重さも同じ面積なら、結晶シリコン系の10分の1未満に抑えられるという。

塗る太陽電池は、変換効率が課題とされ、世界中で開発が競われてきた。三菱化学は成分や構造を見直し、変換効率10.1%と10%超えに成功。結晶シリコン系の約20%には及ばないが、薄型として市販される膜状シリコン系の太陽電池の水準に追いついた。(C)朝日新聞

三菱化学の話題はこのブログで何回か書いたが、直近では2010年3月18日記事「三菱化学が薄型太陽電池の太陽光発電装置を発売」に書いた。それは、三菱化学の発売する、防水シートと一体になった薄型の太陽光発電装置についてだった。その太陽電池は、同社が以前から開発する有機太陽電池だろうと書いた。その時点での発電効率は通常の太陽光パネルの「3分の1程度」、恐らく変換効率7、8%程度だろう。

今日話題の「塗る太陽電池」も、この有機太陽電池を応用したものだろう。これは、本当にペンキのように塗り、乾くと半導体のようになり、配線すれば太陽電池となる代物だ。塗布層は当然、通常のシリコン結晶系太陽電池よりは非常に薄いため、曲がった面にも自由に対応できる。これは大変な利点だ。印刷技術を使って太陽電池を大量に「印刷」できるからだ。

この「塗る太陽電池」には弱点があった。それは発電効率だ。この太陽電池はなんと10.1%にのぼるのだ。前回記事の時点では7、8%だったので、1年ちょっとでそれが10%になったのだ。発電効率がこの短い期間で約3割増、これは大変な技術的進歩、革新的技術と言える。発電効率が10%を超えれば、通常のさまざまな薄膜型太陽電池とそれほど遜色はない。

以前の記事では、同社はこの有機太陽電池の発電効率をシリコン単結晶型太陽電池と同じ20%まで上げる予定とか。それが実現できたら実にすばらしい。乗用車やトラックの全面に太陽電池を「塗る」時代がそこまで来ている。

 
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