シャープは薄膜太陽電池をフル生産


シャープは薄膜太陽電池をフル生産

2009年11月10日

朝日新聞サイトの11月10日付日刊工業新聞記事「シャープ、薄膜太陽電池をフル生産」から一部を引用する。

シャープは欧州市場の失速で2008年末から減産していた薄膜太陽電池をフル生産に戻した。ドイツのほかフランスやイタリアでも需要が回復傾向にあるためで、このほど葛城工場(奈良県葛城市)で年産160メガワットの体制を整えた。また年内には、変換効率の向上により、さらに1割程度の増産につなげられるとみている。

葛城工場では08年10月に現在と同じ生産能力を確保したが、“リーマン・ショック”以降、それまで世界需要をけん引していたドイツとスペインの需要が急減。稼働早々にラインの一部停止を余儀なくされ、09年度上期は50%程度の稼働率となっていた。しかし最近になり、欧州から太陽光発電所の受注が活発化している。シャープは10年3月に堺工場(堺市堺区)で薄膜太陽電池の新工場を立ち上げる計画だが、現在の葛城工場でも変換効率を現在の9%から年内に9・5%以上まで引き上げることで、現有設備のまま生産能力を年170メガワット程度まで拡大できる見込みだ。 (C)日刊工業新聞社、朝日新聞

このブログの9月1日記事「サンテックは2009年に太陽電池世界一メーカーに」中で、スペインは2007年に3倍という高値で固定価格買取制度を始めたが翌年2008年、その価格を下げたことで太陽電池需要が激減し、太陽電池メーカーは過剰在庫に苦しんだことを書いた。そして2008年にはリーマン・ショックもあり、ヨーロッパ全体の太陽電池需要は完全に冷え込んでいた。

ところが、この時期になって、それがやっと回復基調になったようだ。シャープは、2008年から減産していた薄膜太陽電池の生産をフル生産に戻した、とのことだ。今年上期は50%の稼働率だったというから、回復は速い。欧州の需要が上がってきた、ということのようだ。

記事には薄膜太陽電池とあるが、これは薄膜シリコン型太陽電池のことだろう。フル生産に戻したのが、単結晶シリコン型ではなく薄膜シリコン型ということが興味深い。薄膜シリコン型は変換効率は低いがシリコン使用量が少ないため安く生産できる。性能は良いが高価な単結晶型太陽電池ではなく、性能は少し落ちるがより安価な薄膜型に需要はある、ということだ。単結晶型は、今後は性能が最優先の状況でのみ使用されるようになるのではないだろうか。

 
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