シャープが欧州で電力ビジネスに参入


シャープが電力ビジネスに参入

2010年02月08日

今日はシャープの戦略についての記事だ。SankeiBizサイトの1月31日記事「シャープ、地中海拠点に欧州“侵攻” 太陽光発電で首位奪回もくろむ」から一部を引用する。

シャープが欧州に複数の太陽光発電所を建設する計画を発表し、業界関係者の話題をさらっている。太陽電池生産で“ソーラーカンパニー”を掲げるシャープによる電力ビジネスへの挑戦。そこには、技術流出をおそれ、海外生産に出遅れた液晶テレビの二の舞にはならないという決意が見え隠れする。

シャープの発電事業は欧州第2位の大手電力会社エネル(イタリア)の100%子会社「エネル・グリーンパワー(EGP)」社と、合弁で行う。具体的にはイタリア、フランス、スペイン、ギリシャなどを候補に、2016年末までに計50万キロワット規模の発電所を複数建設する計画で、それぞれが完成すれば、全体で約15万世帯に電力を供給できる規模だ。

太陽光発電は、もともと日本が世界に先駆けて開発し、生産、発電量ともに世界ナンバーワンだった。シャープは太陽電池生産で世界首位に君臨し、上位には京セラ、三洋電機といった日本メーカーの名前が連ねていた。
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日本は05年度に補助金制度を打ち切ったことが影響し、シャープは07年に1位から転落。ドイツのQセルズ、米のファーストソーラー、中国のサンテックなどが躍進し、シャープは世界4位にまで落ち込んでおり、韓国、台湾勢も力をつけてきている。

そこで、起死回生を狙ってシャープが打ち出したのが、今回の発電事業だ。計画によると、地中海沿岸を中心に複数の太陽光発電所を建設し、太陽電池パネルを販売するだけでなく、技術・運用面なども提供していく。ロイヤルティーによって収入を安定的に得るという太陽電池事業の新たなビジネスモデルの確立を目指す。
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シャープは、発電所の建設に先立ち、EGP社らと合弁で、伊シチリア島で太陽電池の生産を始める。現在、シャープが「セル」と呼ばれる太陽電池部品を生産するのは、奈良県葛城市の葛城工場(3月には堺市の新工場稼働予定)のみ。

これまで技術流出を防ぐため、生産を国内に限定してきた液晶テレビパネルの事業戦略を考えれば、今回の決断は大胆な転換といえる。そこには世界首位奪還への焦りと、国内にこだわりすぎたため、後発の韓国メーカーらの後塵(こうじん)を拝す結果となった液晶テレビ事業の二の舞を繰り返さないという反省が大きくある。

数年以内には太陽光による発電コストが、火力発電のコストを下回るのは確実で、太陽光発電時代が本格的に到来するといわれている。電力会社が一手に担ってきたインフラビジネスの一画に、電機メーカーがどう食い込むのか。欧州でのシャープの挑戦を、業界関係者かたずをのんで見守っている。(C)SankeiBiz

太陽光発電はかつては日本の独壇場で、シャープは太陽電池生産で世界1位のシェアを保ってきたが、2007年に1位から転落し、現在は4位の地位に甘んじている。そこでシャープの採った戦略が、電力ビジネスだ。欧州で日照時間の長い地中海沿岸に太陽光発電所を複数建設し、太陽光発電パネルを販売するだけでなく技術・運用も提供し、ロイヤルティーを貰うことで長期に亘り安定した収入を得る、という作戦だ。そのためシャープは、ヨーロッパ第2位のイタリアの大手電力会社エネルの子会社と合弁でその事業を行う。計画では、2016年末までに計50万キロワット、ということは500メガワットの太陽光発電所を建設予定、とのこと。

またこの戦略のため、太陽電池の生産をイタリアで開始する。現在は太陽電池セルは日本でのみ生産しているため、方針の大幅変更、ということになる。この背景は、液晶テレビパネルの分野で技術の流出を恐れて海外進出が遅れ、後発の韓国メーカーの後塵を拝した強い反省がある、とのことだ。

太陽電池メーカーが太陽電池の生産だけにとどまらず世界戦略でさらに大きなビジネスを遂行する、ということだ。シャープの採用したのは電力ビジネスだが、日本の他メーカーも太陽電池生産だけではなくこのような電力ビジネスや他ビジネスに進出してゆくことだろう。

なお引用記事の最後に興味深い記述があった。「数年以内には太陽光による発電コストが、火力発電のコストを下回るのは確実」との記述だ。いつかはそうなると予想されてはいたが、数年以内とはかなりその時期が短縮されたように思う。

 
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