シャープの薄膜型太陽電池を生産する新工場が堺市で稼動


シャープの薄膜型太陽電池を生産する新工場

2010年03月28日

毎日新聞サイト3月28日記事”シャープ:堺の「薄膜型」太陽電池工場、曇天のスタート”から。

シャープは月内に、堺市に建設した太陽電池工場を稼働させる。戸建て住宅の屋根に使われる現在主流の「結晶型」ではなく、大規模な太陽光発電所などに納品する「薄膜型」と呼ばれるタイプを生産する。薄膜型は既に奈良県葛城市の工場でも量産しており、堺の工場稼働時に生産能力は倍増。国内メーカーで唯一、結晶・薄膜の両輪体制を明確にする。ただ、薄膜は金融危機で需要が減退しており、市場動向を見ながら生産能力引き上げのタイミングを探る。

薄膜型は結晶型に比べ、太陽光を電力に変換する効率が4分の3程度と低いが、材料となるシリコンの使用量が100分の1で済むため、コストを抑えられるのが特徴だ。このため戸建て住宅などより大規模な「屋根」を確保できる、太陽光発電所などに納品する。シャープは薄膜型を結晶型と並ぶ太陽電池の柱と位置づけており、堺市の工場への投資は720億円に上る。

しかし08年秋のリーマン・ショックで目算が狂った。太陽光発電所に積極的だった欧州で建設計画の延期などが相次いだためだ。三洋電機が新日本石油と共同で薄膜に参入する予定を延期するなど、他メーカーにも影響が及んでいる。薄膜を有利にするシリコン価格が下落基調にあるのも誤算。シャープは今月末の稼働時、堺の新工場で年産能力の3分の1の年16万キロワットでスタートする。将来的には原子力発電所1基に相当する年100万キロワットにまで引き上げる計画だが、成長するアジア各国の国家プロジェクトをうまく受注できるかがカギになる。(C)毎日新聞

シャープが薄膜型太陽電池工場を稼動させるニュースだ。現在のメインの太陽電池は、単結晶または多結晶のシリコン型太陽電池だ。それに対し薄膜シリコン型太陽電池は、高価なシリコン使用量が結晶型の1/100で済む利点があるが、効率は結晶型の3/4と低い欠点がある。薄膜シリコン型太陽電池が有利なのは、工場の屋根など、広い面積に太陽光発電パネルを設置する場合だ。もちろんシリコン価格が高値を維持していることも、薄膜型が有利であるためには必要な条件だ。

シャープはいままでの結晶型のみならず、この薄膜型の太陽電池の生産も積極的に開始する。しかし世の状況は甘くないようだ。薄膜型の需要が不況で縮んでしまったこと、またシリコン価格が下落基調にあること、により、薄膜型をあまり積極的に生産できない状況なのだ。その状況下でのシャープの薄膜型太陽電池工場稼動なので、引用記事のタイトルは「曇天のスタート」というわけだ。

しかし薄膜型が結晶型より需要がある時期は必ず来る。やはりシリコン使用量が少なくて済む薄膜型の価格的魅力は大きい。また薄膜型の変換効率も技術の進歩で除々に上がってゆくと思われる。薄膜型が結晶型の8~9割の効率となれば、一般住宅用に薄膜型も使用されると思われる。それまではシャープは苦難の日が続くかもしれないが。

 
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