シリコン含有インクで太陽電池


シリコン含有インクで太陽電池

2009年10月08日

10月7日の朝日新聞サイト記事「帝人、シリコン粒子含有インクで太陽電池を開発」から一部引用する。

帝人は半導体素子製造向けに開発したシリコン粒子含有のインクを応用して、太陽電池を開発する。アモルファスシリコン系太陽電池と同等のエネルギー変換効率を目指し、5年後に実用化する方針。このインクを使えば、インクジェット方式で塗布して製造できるため、従来の真空蒸着プロセスよりも大幅に製造コストを削減できる。同社はエネルギー変換効率を引き上げるために、シリコン粒子やインクの性能を高める技術開発を急ぐ。

太陽電池を構成するシリコン粒子含有インクの開発は、米国ベンチャー企業のナノグラムの技術を活用する。同社の技術を使って直径数十ナノメートル(ナノは10億分の1)に微細化したシリコン粒子をインクに分散する。このインクを太陽電池の基板に塗布し、紫外線レーザーを当てて固める。インクにはリンなど太陽光を電気エネルギーに変換する際に必要なドーパント(混ぜ物)が含まれている。帝人はシリコン粒子の界面制御や結晶構造の最適化とともに、ドーパントとシリコン粒子の反応を最適化することで、エネルギー変換効率を高める。

帝人とナノグラムは2009年2月からシリコン粒子を樹脂に塗布して、半導体素子を製造する技術開発に取り組んでいる。すでにポリカーボネート樹脂製のフィルムにシリコン粒子含有のインクを塗布した半導体素子の製造に成功した。
... (C)朝日新聞

この新しい太陽電池は、シリコン薄膜太陽電池の一種だ。シリコン薄膜太陽電池は一般に、結晶型太陽電池に比べると変換効率は少し低いものの、シリコン使用量が格段に少なくて済むため、結晶型よりは低価格で太陽電池を製造できるメリットがある。

通常のシリコン薄膜太陽電池は、シリコンを含むガス中で放電させ基板上にシリコンの薄膜を蒸着させる製造方法が一般的だ。片や、今回の帝人の太陽電池は、シリコンの超微粒子を含むインクを太陽電池の基板に塗布し、紫外線レーザーで固める、という方法だ。そのシリコン微粒子は、米国ベンチャー企業のナノグラムの技術で、直径数十ナノメートルという微粒子だ。このサイズは一番小さなウィルス程度の大きさ。

そのシリコン微粒子を含むインクには、太陽電池に必要な他の物質(ドーパン)も混ぜてあり、その割合を調整して最大の変換効率を得るようにし、5年後に製品化を目指しているそうだ。

この技術が完成すると、任意の面にインクを吹き付けて紫外線レーザーで固めれば太陽電池の出来上がり、ということも可能で、太陽電池の応用範囲が広がる。また、フレキシブルな面を太陽電池にすることもできる。かつインク状なので大量生産すれば単価は大幅に下がる。この製品が実用化する5年後に期待したい。

 
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