東京電力のスマートグリッド対応は高圧線開閉器の監視機能と光通信


東京電力のスマートグリッド対応戦略

2010年02月24日

朝日新聞サイトの2月24日記事「東電、スマートグリッドへの対応本格化-戦略チームで行程表」から一部を引用する。

東京電力はスマートグリッド(次世代電力網)構築への対応を本格化する。1月に立ち上げた「スマートグリッド戦略グループ」が中心となり、スマートグリッドに取り組むビジョン、行程の策定を開始。その一環で、電力系統への再生可能エネルギーの大量導入に備え、配電網全域に光ファイバー網を設けて系統安定を維持するシステム構築の検討も始めた。電力業界のリーダー役の東電が本腰を入れることで、産業界全体のスマートグリッドの取り組みも加速しそうだ。

同グループは技術や営業、企画など各部門から横断的に10人の人員を集めて構成。(1)再生可能エネルギーの導入拡大への技術的対策(2)電力品質の維持・向上(3)電気の効率使用―の三つのテーマについて、情報通信技術で対応していくことをスマートグリッドと定義して、東電が行うべき施策を整理、検討していく。

特に再生可能エネルギーの導入拡大への技術的対策と、電力品質の維持・向上では、家庭用の太陽光発電などの再生可能エネルギーが大量に系統電源に入り込むと、周波数や電圧が変動し、既存の配電網では制御しきれない問題の発生などが指摘されており、こうした課題への対策を急ぐ。

現在、電流を遮断する開閉器を6000ボルトの高圧配電線の随所に設置。低速電力線通信(PLC)を通して制御、配電事故の際に事故個所の特定と電流の遮断をしている。この開閉器に周波数と電圧を監視・調整する機能を持たせ、再生可能エネを大量導入しても、電力品質を保持するシステムを構想中。その際、低速PLCでは制御に必要な通信量が足りないため、光ファイバーを配電網すべてに張り巡らせることを検討している。 (C)朝日新聞

東京電力は、社内に「スマートグリッド戦略グループ」を立ち上げ、スマートグリッドに本格的に対応する体制を整えつつある。「スマートグリッド」という言葉には広義・狭義でいろいろな定義が可能な言葉だ。また国によりその定義が異なる場合もある。東京電力の「スマートグリッド」は次の定義だ。

次の3項目をIT技術で対応することを「スマートグリッド」と称する。
(1)再生可能エネルギーの導入拡大への技術的対策
(2)電力品質の維持・向上
(3)電気の効率使用

基本的に、太陽光発電システムからの大量の電力流入への対応がメインとなるようだ。この技術がどのようなものか、今回の引用記事で初めて知った。

現在、電流を遮断する開閉器を高圧配電線の各所に設け、電力線通信(PLC)により制御している。事故などの際にこれらが動作して問題箇所の遮断などを行っている。これをスマートグリッド対応にするため、この開閉器に電圧と周波数を監視する機能を持たせ、太陽光発電などの自然エネルギー電力の大量流入や停止があっても電力の品質を保つ仕組みとする。また、PLCでは通信に限界があるため、光ファイバーを配電網のすべてに敷設して高速通信を行う。

この東京電力のスマートグリッドはこのように送電網への対応がメインだ。他の定義のスマートグリッドのような、家庭内に蓄電した電力の利用はこの東京電力のスマートグリッド戦略には入っていないようだ。

 
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