スマートグリッドのわかりやすい説明


スマートグリッドとは

2010年05月23日

このブログでもときどき触れているスマートグリッドについてわかりやすい記事を見つけたので紹介する。東京新聞サイトの5月18日記事「スマートグリッド  IT使い効率送電」から一部を引用する。

次世代送電網「スマートグリッド」に注目が集まっている。情報技術(IT)を使い、家庭やオフィスの電力需要と発電側の供給力を瞬時に把握し、効率的な送電を実現する技術だ。

天候に左右される太陽光発電などを大量導入するには、スマートグリッドで電力網を安定させる必要がある。
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普及すれば、地球温暖化対策に貢献する上に、暮らしも便利になる。各家庭には、通信機能を持つ高度な電力測定器「スマートメーター」が設置され、晴れた日には屋根の太陽光発電で生んだ電気を電力会社に売ったり、給湯器で大量にお湯を沸かしたりする。曇りの日や夜は、電気自動車が蓄電池の役目を果たし、家電製品に電気を送る。

電力会社が真夏の昼間の電気料金を高くし、夜間などは抑えたりと細かな料金設定も可能になる。利用者は、安い時間帯に洗濯したり氷を作ったりするよう設定しておけば、自動的に省エネ、節約ができる。外出先で駐車場に車を止めておくと、自動的に充電されたり、反対に電気を売ったりする。電力源には自然エネルギーが多く使われる。

普及には課題も。一台二万~三万円のスマートメーターの設置だけで全国で一兆円以上かかる。電力会社が多額のコストを転嫁すれば電力料金が跳ね上がる可能性もある。(C)東京新聞

スマートグリッドのイメージ図を見ればスマートグリッドの概念が把握できる。そもそもスマートグリッドとは引用記事のとおり、「電力の需要と供給の状況をIT技術により即時判断し最適な送電を実現する技術」と言える。この技術は自然エネルギーによる電力が送電網に大量に流れ込む時代にはどうしても必要になる技術だ。太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーによる電力は出力が不安定である欠点があり、送電網を安定させるための必要に迫られた技術とも言える。

イメージ図によれば、家庭の必須アイテムはスマートメーターとホームサーバー。スマートメーターは通信機能を持つ電気メーターで、電力の制御機能も併せ持つ。このスマートメーターは引用記事によれば1台2万~3万円で、その設置費用が全国で1兆円かかるとの試算だ。この金額は高すぎると私は思う。このスマートメーターの中核はソフトウェアでありハードではない。そのようなソフトウェアは国が開発して電力会社に供与すればよいのだ。この「1台2万~3万円」は電力会社の戦略が垣間見られるような気がする。このスマートメーターは家庭の必須アイテムだが、それよりは重要度は下がるものの必要な機器がホームサーバだ。これは高性能蓄電池と制御ソフトウェアだ。高性能蓄電池は当面はリチウムイオン電池だろう。それにソフトウェアで、家の屋根に設置された太陽光発電の余剰電力を蓄電したり、要求により電力網に蓄電された電力を供給を制御する。

このイメージ図の上方のビルには、ZEBと書いてある。これについてはこの引用記事の最後に解説があった。次のとおりだ。

ZEB

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル) 太陽光や地中熱などの再生可能エネルギーの利用や、省エネの徹底により、建物内の電気やガスなどのエネルギー消費量を、正味でほぼゼロにできる建築物。太陽光発電のほか、建物の断熱性を高めたり、自然採光や自然換気ができる構造にしたり、消費電力の少ないサーバーやLED(発光ダイオード)照明を多用することで実現する。経済産業省は2030年までに新築建築物の全体でZEB化を実現する目標を掲げている。(C)東京新聞

このZEBについては、このブログの昨年11月25日記事「2030年、オフィスビルのエネルギー収支はゼロに」と4月19日記事「2020年までに新築住宅の100%を省エネ住宅に」で書いたとおりだ。そのブログ記事を書いた当時はZEBという言葉は無かった。そのエネルギー収支ゼロのビルをZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)と称するのだ。経済産業省は、ビルのみならず一般住宅を含めてすべての新築建築物のZEB化を実現する壮大な目標を掲げている。問題は、以前の記事にも書いたとおり、ZEBを実現するための追加費用の負担だ。やはりこれには国の手厚い補助金が必要と考える。

 
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