太陽光発電とガスコージェネレーションとの連携実証実験


太陽光発電とガスコージェネレーションとの連携

2010年05月17日

朝日新聞サイトの5月16日記事「太陽光発電、安定供給へ実証事業 東京・大阪ガス」から一部を引用する。

東京ガスと大阪ガスは、太陽光発電と天然ガスコージェネレーション(熱電併給)を組み合わせた実証事業を始めると発表した。太陽光発電は天気が良いとたくさん電力を送ってしまうため、送電網の電力量が増えすぎて周波数などに悪影響を与える恐れがある。コージェネを使って発電量を調節するという。

太陽光発電が送りすぎた電力は、送電網に蓄電池をつないで吸収する方法が検討されているが、蓄電池の値段は高い。実証事業では蓄電池の代わりに、天然ガスで発電した際の熱でお湯や蒸気もつくるコージェネを使う。太陽光発電の量が多い時は、コージェネの発電を抑えて電力量を調節する。コージェネは工場や家庭に普及しており、蓄電池より安いという。

実証事業は東京と関西で進める。東京では東京ガスの研究施設内にあるコージェネと太陽光発電などで作った電力と熱を2棟のオフィスビルや近くの福祉施設に送る。関西では、2府4県の工場やオフィスビルなどにある6カ所のコージェネ、4カ所の太陽光発電の量を調節する。

今年度中に必要な設備を整え、2年間かけてデータを集める。国が10年度予算で6億円を計上している。(C)朝日新聞

ガスによるエネルギーは太陽光エネルギーに比べて分が悪い。ガスはどうしても化石燃料を燃やして二酸化炭素を排出するイメージが強いからだ。そのためガス会社は生き残りを賭けて新技術を開発している。例えばガスを燃焼させないで電力を得る燃料電池などだ。今日の話題は残念ながら燃料電池ではないが、新技術のひとつだ。

東京ガスと大阪ガスが共同実験を始める。それは、太陽光発電と天然ガスコージェネレーションを組み合わせ、不安定な太陽光発電の出力を一定化するものだ。ガスコージェネレーションは、ガスにより電力を発生させ、その際の廃熱を冷暖房・給湯などに有効利用するものだ。ガスによる電力生成には、燃焼によるガスタービンや先ほど触れた燃料電池がある。このガスコージェネレーションは家庭向きではなく、工場・地域での導入が一般的だ。

さて太陽光発電の欠点は、日照により出力が一定ではないことだ。その欠点に対応する一般的な方法は、蓄電池に電力を溜める方法だ。しかし蓄電池は高価のうえ時間と共に能力が低下するのである期間ごとの交換が必要だ。そこで太陽光発電とガスコージェネレーションを連携し、ガスコージェネレーション側の出力を太陽光発電の出力に合わせて調整することで全体としての出力を一定化する技術が開発された。今回はその実証実験を2つのガス会社が行う、というものだ。

実はこの太陽光発電とガスコージェネレーションを組み合わせる話題は、このブログの昨年9月22日記事「ガスコージェネレーションシステムによる電力安定供給」で書いている。この技術は大阪ガスが開発したものだった。この新技術の中核は前回記事によれば、送電網の周波数の変動を測ってガスコージェネレーションシステムの出力を調整するソフトウェアだ。

それにしても少々興味深く感じたのは、前回の引用記事が太陽光発電出力が不足したときにコージェネの出力をアップする記述に対し、今回の引用記事は太陽光発電出力が増えたときにコージェネの出力を下げる、という逆のことを強調している点だ。どちらも今回の新技術で対応できるのだが、新聞記者により見方の違う点が面白い。

 
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