太陽熱発電の原理で高温を得て水素を得る研究


太陽熱により水素を得る

2011年07月07日

読売新聞サイトの6月17日記事「宮崎県、太陽光による水素製造を研究」から一部を引用する。

東京電力福島第一原子力発電所の事故などを受け、自然エネルギーへの注目が集まる中、宮崎県は全国3位の日照時間を生かし、太陽光による「新エネルギーの拠点づくり事業」に乗り出す。

宇宙機器メーカー「三鷹光器」(東京都)や新潟大と連携し、効率的に太陽光を集める「ビームダウン式集光装置」を宮崎大に設置。太陽光発電のほか、太陽光による水素製造の研究に、全国の自治体で初めて取り組む。事業予算は5000万円。

ビームダウン式集光装置は、世界有数の集光技術を誇る三鷹光器が製作。太陽の動きを追尾する反射鏡(ヘリオスタット)が、地上約10メートルの高さにある楕円(だえん)鏡に光を集めて再反射させ、真下にある太陽光濃縮装置を通すことで、効率性の高い集光が可能になる。

水素製造では、新潟大が研究を進める技術を活用する。水を分解し、水素を発生させるには通常約3000度の高温が必要だが、同大の開発した触媒を使用することで1500度まで下げることができる。県は、ビームダウン式集光装置との併用で、太陽光による水素製造技術の開発を目指す。

水素を安定して供給できるようになれば、水素自動車や燃料電池などへの利用が可能になる。県は2020年頃までの実用化を見込んでおり、民間への技術移転や企業誘致も促進するという。

過去30年の県内の平均日照時間は年間2116時間で全国3位。...(C)読売新聞

これは極めてユニークな研究だ。太陽熱から水素を得よう、というのだから。

太陽熱により高温を得るところまでは太陽熱発電システムと同じだ。地上には太陽を追尾する鏡があり、塔(この場合は10メートル)の上に集光する。塔の上には真下に光を反射する鏡がある。これで塔の真下は高温が得られる。

その高温で水素ガスを得よう、という訳だ。水素は水の電気分解でも得られるが、水蒸気を高温下に晒せば水素が得られる。この方法では3000度という高温が必要だが、新たに開発された触媒により1500度の温度で水素が得られる。3000度と1500度では大違いだ。

これはすばらしいプロジェクトだ。太陽熱で水を分解して水素が得られるのだから、温暖化ガスの発生は有り得ない。

ところでなぜ水素なのか?それは、環境に負担をかけない究極の電気エネルギー発生装置は燃料電池であり、それは水素により電気エネルギーを発生するのだ。燃料電池の原理は水の電気分解の逆で、水素と空気中の酸素により水を生成するときに発生する電気エネルギーを取り出すのだ。この燃料電池の動作時に発生する物質は水のみである。

この燃料電池の普及のためには安価な水素がどうしても必要であり、今日の話題のシステムは非常に期待できる。

 
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