自動車運搬船に太陽光発電を搭載


自動車運搬船に太陽光発電を搭載

2010年01月17日

このブログの昨年11月18日記事近未来のエコ船に引用した商船三井の自動車運搬船は次のとおりだ。

商船三井(東京)は9月、「船舶維新」をキーワードに、外洋航行中のCO2排出量を5割に減らすなど「環境に配慮した」自動車運搬船のデザインを公表した。太陽光パネルの利用や改良型スクリューの装着が特徴で、港湾内での航行や荷役中には排出ゼロを実現できるという。(C)共同通信

今日はこの関連話題だ。SankeiBizサイトの1月14日記事”太陽電池搭載の「ハイブリッド運搬船」を開発へ 三洋電機”から一部を引用する。

三洋電機は14日、商船三井、三菱重工業と共同で、太陽電池などを搭載した「ハイブリッド自動車運搬船」の研究開発を行うと発表した。航行中に太陽電池で発電、蓄電することで、CO2排出量削減を目指す。同日、国交省の平成21年度の補助対象事業として採択された。

商船三井が建造中の大型自動車運搬船(長さ約200メートル、幅32メートル、自動車5千台積載可能)の甲板上の約1300平方メートルに、三洋電機製の太陽電池(最大発電能力200キロワット)を設置する。航行中に発電した電力は、リチウムイオン電池に蓄電。約10日間の航行でフル充電されるという。

蓄えた電力は停泊中の車の積み卸しの際、船内の排ガスを排出するファンなどの電力として使用する。日米間の往復航行(1カ月間)で、燃費を約6・5%抑えることができるという。

24年の完成を予定。船の運航を通じて、CO2削減効果を検証する。(C)SankeiBiz

先のブログ記事では、商船三井が発表したのは自動車運搬船のデザインと概要だ。その太陽光発電に関する部分を、三洋電機を研究開発のパートナーに選んだ、ということが今日の話題だ。

商船三井が建造中の自動車運搬船には、三洋電機製の太陽光発電パネルを搭載する。最大出力200キロワットというから船に搭載する太陽光発電システムとしては最大規模だろう。そしてリチウムイオン電池も搭載し、太陽光発電電力を蓄電する。ただ引用記事によればこの蓄電された電力の用途は、「停泊中の車の積み卸しの際、船内の排ガスを排出するファンなどの電力として使用」とのことなので、蓄電容量としてはそれほど大きくは無いことが想像できる。

引用記事には一番興味のあることが書かれていない。それは、太陽光発電による電力が船の動力にどれだけ利用されるか、ということだ。記事には日米往復の約1ヶ月の航行で燃費を6.5%抑えることが出来る、と書かれていることから考えると、太陽光発電電力は動力にはほとんど使用されないように思える。

そこで商船三井のサイトを調べた。停泊中ゼロエミッションを目指したハイブリッド自動車船によると、この船は太陽光発電電力を動力には利用していない。「大洋航海中に太陽光発電システムで発電した電気をリチウムイオン電池に蓄え、停泊中に消費することでディーゼル発電機を停止」という機能だ。

ということは、太陽光発電による電力はリチウムイオン電池に蓄電するだけだ。上記引用記事によればリチウムイオン電池には約10日でフル充電できるとのことなので、フル充電に必要な10日以降の太陽光発電電力は無駄になってしまう。最大出力200キロワットの太陽光発電システムなのに、これは非常にもったいない。

日本郵船が実験しているように、やはり船の動力に太陽光発電による電力を使用することが望ましいのではないだろうか。

 
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