独ダイムラーとBASFが車の屋根に塗る有機薄膜太陽電池を開発


車の屋根に有機薄膜太陽電池

2011年09月08日

SankeiBizサイトの9月2日付け共同通信記事「世界初の塗料型太陽電池車 独ダイムラーが共同開発」から一部を引用する。

ドイツ自動車大手ダイムラーと化学大手BASFは1日、車体に塗る形で備え付ける「有機太陽電池」を使った電気自動車を共同開発したと発表した。両社によると、同電池を使った自動車は世界初。13日からフランクフルトで始まるモーターショーで公開する。

発表によると、有機太陽電池が採用されるのは小型車「スマート フォービジョン」。車の屋根に透明な有機化学染料を使った。従来の充電型の電気自動車と違い発電が可能なため、長距離走行が可能になった。
...(C)共同

塗る太陽電池、即ち有機薄膜太陽電池については、このブログの直近では8月19日記事「金沢大が開発中の有機薄膜太陽電池」に書いた。その開発中の有機薄膜太陽電池は、コストを下げられる製法なのだが変換効率が2~3%と、かなり低くで実用には遠いものだった。またこのブログの7月20日記事「塗る太陽電池」では、三菱化学が開発した、変換効率10.1%という、薄膜シリコン型に迫る変換効率の有機薄膜太陽電池について書いた。

今日の話題は、その有機薄膜太陽電池がいよいよ実用化され、自動車に搭載される、という話題だ。開発したのは、ドイツのダイムラーとBASF。BASFはドイツの化学大手会社だが、筆者の年代ではカセットテープのメーカーとして記憶に残っている。その両社が開発した有機薄膜太陽電池は透明で、小型車スマートの屋根に塗る、とのことだ。

従来の電気自動車(EV)とは異なり発電しならが走行できるため長距離走行が可能になった、とある。ここで疑問は、車の屋根の面積程度の有機薄膜太陽電池で、「長距離走行が可能になる」ほどの出力が得られるのだろうか。スマートはそうは大きくない車だ。屋根の面積を2平方メートルと仮定し、この有機薄膜太陽電池の能力を結晶型シリコンタイプ太陽電池の半分と仮定したとき、出力は約0.2キロワット弱だ。この出力で「長距離走行が可能になる」だろうか、疑問は残る。

とはいえ、塗料に有機薄膜太陽電池を塗り走行しながらの発電・充電が可能な車の登場は、有機薄膜太陽電池にとって大きな可能性のあることを明示している。

 
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