金沢大とベンチャー企業が実用化に向けて開発中の有機薄膜太陽電池


金沢大が開発中の有機薄膜太陽電池

2011年08月19日

金沢市にある北國新聞(ほっこくしんぶん)サイトの8月8日記事「塗る太陽電池実用化へ 金大と被災企業タッグ 」から一部を引用する。

金(沢)大の研究チームが独自の「塗る太陽電池」を開発し、東日本大震災で被災した宮城県の企業と連携して、実用化に向けた研究開発に乗り出した。理工研究域物質化学系の高橋光信教授らの技術で、世界中で開発が進む塗る太陽電池の中でも、大気中で作製できる点や耐久性の高さが特長。次世代エネルギーへの関心が高まる中、「この事業に命運を懸ける」という被災企業の挑戦を後押しする。

塗る太陽電池は「有機薄膜太陽電池」と呼ばれる。金大の研究チームは、宮城県のベンチャー企業「イデアルスター」(仙台市)とガラス・土石製品製造の「倉元製作所」(栗原市)と契約し、実用化に向けた研究開発を進めている。

有機薄膜太陽電池は、多くの太陽電池に使われているシリコンの代わりに有機半導体を用い、溶剤に溶かして基板に塗る。大規模な設備が必要なシリコンと比べて生産コストは約10分の1で、軽く、柔軟性に優れているなどの長所がある。

金大の研究チームはさらに大気中でも性質が安定している材料を使い、「逆型」と呼ばれる構造を採用。従来の製造工程と大きく異なり空気中での作製が可能となった。
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高橋教授によると、この電池が光エネルギーを電気に変換する発電効率は現段階で2~3%で、シリコン系太陽電池の15~20%と比較すると大きく劣る。高橋教授は「柔軟な発想があれば使い道は無限にある。企業の生産技術やアイデアを生かして普及させたい」と話した。(C)北國新聞

この塗る太陽電池、つまり有機薄膜太陽電池の話題だ。金沢大の研究チームが企業と連携して実用化に向けた研究開発を行っている。この有機薄膜太陽電池は通常の太陽電池の原料であるシリコンは使用せず、有機半導体を溶剤に溶かして基板に塗る。この方法が故に生産コストはシリコン型のなんと1/10とのことだ。

これは有機薄膜太陽電池の一般的特徴だが、この金沢大チームの有機薄膜太陽電池の特徴は、製造時に空気中での作成が可能なことだ。ということは、通常の有機薄膜太陽電池は大気とは隔絶された閉じた系で作らなければならないのに対し、さらにコスト減が期待できる、ということになる。

この金沢大チームの有機薄膜太陽電池の最大の欠点は、その発電効率だ。なんと、まだ2~3%とかなり低い。単結晶シリコン型は20%程度、三洋電機のHIT太陽電池は23%なので、その約1割ということだ。これではまだまだ使えない。

有機薄膜太陽電池については、このブログでは7月20日に「塗る太陽電池」記事を書いた。その中で、三菱化学が変換効率10%を超える試作品の作成に成功した、とある。金沢大チーム、実用化といえるには残念ながら多大な性能アップが今後必要だ。

 
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