太陽光発電の普及と送電網の整備


太陽光発電の普及と送電網の整備

2009年10月05日

少し古いが8月12日付の産経新聞サイト記事「風力、太陽光発電の促進が、大停電を引き起こす?」から一部を引用する。元記事はブルームバーグで、米国の話題だ。

輸入石油への依存を解消するために、風力や太陽光発電の開発を促進しようとするオバマ米大統領の計画が、見えないリスクを生んでいる。老朽化した送電網に過度な負担がかかり、大停電を引き起こしかねないのだ。

オバマ大統領の7870億ドル(約76兆700億円)の景気刺激策のうち、送電網の拡大に充てられるのは、今後2年間でわずか60億ドル。しかし調査機関エレクトリック・パワー・リサーチ・インスティチュートのリッチ・ローダン氏によると、国内の送電網を完全に改修するためには、向こう10年にわたり毎年130億ドルが必要だ。予算はその5%にも満たない。
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調査会社ブロードポイント・アムテックのアナリスト、ウィル・ガブリエルスキ氏は、送電線の整備なしに代替エネルギーの使用を進めた場合の電力不足のリスクを指摘する。

同氏の懸念はすでに08年にテキサス州で現実化している。同州の風力発電規模は米国一で、630万家庭への供給量にあたる7907メガワットを生産する。しかし08年2月に風がほとんどなかったことが原因で発電量が82%減少し、工場やオフィスへの送電制限を余儀なくされた。電線を増設していなかったため、代替経路で電力を供給することができなかったのだ。

安定した電力を供給できる石炭火力発電と比べて、風力のような代替エネルギーは多くの送電線や補助金が必要となる。もし中北部ノースダコタ州の風力発電所で猛烈な風が吹いているとしても、電力を必要としているのは遠く離れたシカゴなど大都市であり、そこまで届けなければならない。こうした問題は原子力発電や石炭火力発電では起こらない。これらの場合は発電所は、消費地から比較的近い場所に建設されるからだ。

連邦エネルギー規制委員会(FERC)のジョン・ウェリングホフ委員長は、送電網の予算を増やさなければ、遠隔地で生産された再生可能エネルギーを各都市で十分に利用することができないという。7月20日にシアトルで開催された会議で、「再生可能エネルギーをもっとも効率よく発電できる場所から、それを消費する大都市へとエネルギーを届けるために不可欠な送電設備を開発するとの、連邦政府による確約が必要だ」と主張した。
...(C)産経新聞、ブルームバーグ

送電線の整備無しに太陽光発電・風力などの代替エネルギーに頼ると電力不足に陥る、という米国の教訓だ。

風力発電の規模が米国一のテキサス州では、2008年2月に風がほとんど吹かなかったことが原因で、発電量がなんと82%減少し送電制限を余儀なくされた、とのこと。送電線が未整備で代替経路での電力供給ができなかったことが原因だ。そして米国では、送電網の完全改修に必要な金額の5%未満の予算しか付いていない、とのこと。

通常は、電力の大消費地である都市の近くに火力発電所・原子力発電所は設置される。しかし代替エネルギーの場合、風の強い地域は大都市の近くとは限らず、日照の多い地域も大都市の近くとは限らないので、代替エネルギーの充実には送電網の整備が不可欠、ということだ。

日本も、この米国の例を教訓として送電網の整備に努める必要がある。

 
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