UCSDと三洋電機共同の日照量予測による電力安定供給実験


日照量予測による電力安定供給実験

2010年06月21日

少し前だが、東京新聞サイトの6月4日記事「雲の動き解析し電力安定供給 三洋、米大学と実験へ」から。

三洋電機は4日、米カリフォルニア大サンディエゴ校と共同で、太陽電池とリチウムイオン電池を組み合わせた電力の安定供給実験を実施すると発表した。太陽光発電は天候に左右されることから、雲の動きを解析して供給の調整に活用する。

校内にある複数のカメラ画像などから日照量の変化を予測する同大の技術を利用し、電気を蓄えてあるリチウムイオン電池からの供給量を調整する。出力30キロワット程度の太陽電池を設置し、校内の小規模な店舗に電力を供給する計画という。

実験期間は7月から3年間。大学側に研究・実験費として3億円を提供する。三洋は「将来的には規模を拡大していきたい」と説明している。(C)東京新聞

同じ内容の記事が東京新聞の3日遅れで朝日新聞サイトに掲載された。6月7日付け記事「太陽光発電、雲の位置予測し安定供給 三洋など米で実験」だ。

三洋電機は太陽電池で起こした電力を蓄電池にためるスマートエナジーシステム(SES)を使い、電力を安定供給する実証実験を米国で始める。雲の位置を予測する技術を持つカリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)と提携、太陽電池の出力が急激に落ちても停電しないシステムの開発を目指す。

電力供給が日本にくらべて安定していない米国では、急に曇るなどして太陽光発電所の出力が落ちると広範囲で電力不足に陥る可能性がある。新システムでは同校の技術で曇り出す時刻を正確に割り出し、前もって蓄電池から放電を始めて停電を防ぐという。

実験は7月1日から3年間。三洋製の太陽電池、リチウムイオン電池、制御装置など3億円相当分をUCSDに提供する。まずはキャンパス内の売店などに太陽電池とリチウムイオン電池を設置して実験し、将来は規模を拡大していくという。三洋は2015年度までにSES事業で1千億円の売上高をめざしている。(榊原謙)(C)朝日新聞

この記事の要旨は、三洋電機が米国カリフォルニア大学サンディエゴ校と提携して太陽光発電電力の安定供給実験を行う、というものだ。カリフォルニア大学サンディエゴ校には、カメラ画像から日照量の変化を予測する技術がある。その技術で曇り始める正確な時刻を計算し、その時刻前からリチウムイオン電池に蓄えられた電力を放電して安定した電力供給を図るというシステムだ。三洋電機側は、太陽電池・リチウムイオン電池、制御装置などハードウェア関係を負担する。その金額は3億円、とのことだ。

同じ内容を複数の新聞記事で比較すると興味深い。今回の記事において、東京新聞のみに書かれていたことは、「校内にある複数のカメラ画像などから」日照の変化を予測する、ということだ。朝日新聞には「雲の位置を予測する技術」としか書かれていない。しかしこの2つを併せると、より多くの情報になる。"校内にある複数のカメラ画像などから雲の位置を予測して日照量の変化を予測する技術"ということだ。

また朝日新聞にのみ書かれていたことは、次の2つだ。
(1)「電力供給が日本にくらべて安定していない米国では、急に曇るなどして太陽光発電所の出力が落ちると広範囲で電力不足に陥る可能性がある。」このことは東京新聞では触れられていない。
(2)三洋電機の3億円が太陽電池、リチウムイオン電池、制御装置などの現物提供であること。東京新聞では、「大学側に研究・実験費として3億円を提供」と書かれているがこれでは金銭の提供と読み取ってしまう。

このブログではいままで朝日新聞などの大新聞の記事を、冗長であると散々非難してきた。しかし、今日の比較に関しては、朝日新聞の勝ちだ。この朝日記事を書いた榊原氏はコンパクトに正確に記事をまとめる力があると思う。

 
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