クラレは集光型太陽光発電向けレンズ納品


集光型太陽光発電へレンズ納品

2011年04月28日

朝日新聞サイトの4月22日付の日刊工業新聞記事「クラレ、太陽光発電向け集光レンズに参入」から一部を引用する。

クラレは集光型太陽光発電向けに集光倍率約500倍のレンズを開発し、事業化に乗り出した。鹿島事業所(茨城県神栖市)に量産体制を整え、集光型太陽光発電システムで世界シェア70%を持つ最大手の米アモニクスに供給をはじめた。同発電システムは効率良く発電できるとして今後の需要拡大を見込む。2015―18年ごろの集光レンズ市場は年100億円規模に成長すると想定し、シェア50%、売上高で同約50億円を目指す。

開発した集光レンズはフレネルレンズで、精密成形技術を生かしレンズ精度を高め、発電効率が向上するようにした。自社で原料のメタクリル樹脂も生産するため、材料の組成を最適化することで耐候性、耐光性を持たせ、長期間、安定的に性能を発揮するという。20センチメートル角の集光レンズ30個を1ユニットにして提供する。クラレは現状の集光レンズ生産能力は明らかにしていないが、中期的には年間で発電能力75メガワット相当のシステム分のレンズを生産する計画だ。将来は海外生産も視野に入れる。

アモニクス向けでは、同社が米国ネバダ州に設けた発電容量で年150メガワット相当の発電システムを生産する工場向けに出荷する。アモニクスの生産する太陽光発電システムは9ミリメートル角の化合物半導体発電セルを用いる。発電効率はクラレの集光レンズを用いたモジュールの場合31%で、「現在の太陽光発電技術において最も高い効率を実現した」という。

集光型太陽光発電システムは発電セルにレンズや鏡で太陽光を集めて発電する。このため小型のセルでも発電量を確保でき、発電システムのコスト削減も期待できる。砂漠など日射量の豊富な地域での大規模発電として採用拡大が見込まれる。
...(C)日刊工業新聞

集光型太陽光発電の話題だ。集光型太陽光発電は、レンズで集光し小さな太陽電池セルで発電する。メリットは、太陽電池セルが小さくて済むことと、能力の高い高価な太陽電池セルを使用することが可能になること、の2点だ。

この集光型太陽光発電の原理は概念図のとおりだ。今日話題のクラレの集光レンズは、サイズは20cm四方で、それを9ミリの太陽電池セルに集光する能力を持つ。

なおクラレのこの集光レンズは30個で1ユニットとのことだ。

この集光レンズは米国にアモニクス社に納品される。同社は集光型太陽光発電のメーカーだ。同社の太陽電池セルとその集光レンズを使用したとき、発電効率は約31%とのことだ。通常使用される太陽電池で、集光レンズを使用しない最も能力の高いシリコン結晶型太陽電池の変換効率は20%ちょっとなので、集光レンズの効果あり、ということがわかる。

なおこの31%という数字は、もっと高くなることが期待される。このブログの2009年10月27日記事「シャープの世界最高変換効率の太陽電池」によれば、シャープは高性能の太陽電池セルと集光レンズの組み合わせで変換効率40%を目指す、とのことだった。これはもう1年半前の記事なので、すでに実現できているかもしれない。なので、今日話題の31%はもう少し高くなるべきだろう。

なおこのシャープの高性能太陽電池は、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)を使用している。今日話題のアモニクスの太陽電池セルは引用記事によれば「化合物半導体発電セル」とのこと。いままで話題の集光型太陽電池セルは(インジウム)ガリウムヒ素型が多かったので、そのタイプではないかと予想される。

 
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