太陽光発電協会が発表した2011年の太陽電池の出荷の統計


2011年の太陽電池の出荷の統計

2012年02月17日

朝日新聞サイトの2月15日記事「太陽電池の出荷、初の100万キロワット超え」から。

太陽光発電協会が15日に発表した2011年の太陽電池の国内出荷量は、前年比31%増の129万キロワットで、初めて100万キロワットを超えた。全体の85%を占める住宅用は、電力不足による関心の高まりもあって同37%増。非住宅用は10年度に補助金が終了したこともあり、同3%増にとどまった。また、輸入分が中国勢の攻勢などで同2.1倍の26万キロワットと大幅に伸びた。(C)朝日新聞

太陽光発電協会が発表した、2011年の太陽電池の出荷量の話題だ。太陽光発電協会(JPEA)は、太陽電池や太陽光発電のメーカー、販売会社などの業界団体だ。会員名簿によれば、太陽電池メーカーは日本のみならず、中国など外国の会社もメンバーだ。しかし役員はすべて日本の太陽電池メーカーとなっている。その代表理事は、シャープの社長だ。

さて今回の発表の全内容は、太陽光発電協会の「平成23年度第3四半期及び平成23年暦年値太陽電池セル・モジュール出荷統計について」の5ページ以降に掲載されている。

それによれば、上記引用記事にはないが、太陽電池セルの2011年総出荷量は約276万キロワットで、前年比13%の増だ。これは総出荷の数字だが、国内向けの国内総出荷は、引用記事にもあるとおり、前年比31%増の129万キロワットで、初めて100万キロワット(つまり1ギガワット)を超えた。

なお輸出は146万キロワットで、これは前年比約1%の増なので変化はない、というべきだろう。

材料別(タイプ別)では、2011年実績は次のようになっている。

タイプ 総出荷 前年比 構成割合
シリコン単結晶 95万kW 12%増 34.5%
シリコン多結晶 115万kW 7%減 41.8%
シリコン薄膜・その他 65万kW 89%増 23.7%

このデータによると、シリコン多結晶は一番多いものの前年割れということで、以前の勢いは無い。シリコン単結晶は12%も伸びているのは、価格は高いが発電効率の良さが国土の狭い日本の都市に支持されたからだろう。また「シリコン薄膜・その他」は89%もの増加と、大変な増加だ。「シリコン薄膜」と「その他」が一緒の統計になっているが、これは是非分離してもらいたい。未来志向の「その他」タイプの太陽電池がどれだけ延びているか知りたいからだ。

それからこの文書によれば、太陽電池の輸出先は次のようになっている。(構成比は計算した。)

輸出先地域 総出荷 前年比 構成割合
米国 31万kW 1%増 21%
欧州 83万kW 15%減 57%
その他 32万kW 100%増 22%

これによれば、15%もの大幅減ではあるがヨーロッパが太陽電池セル・モジュールの重要な輸出先であることに変わりは無いようだ。そして、その他の地域が100%の増、つまり前年比の倍、には驚く。これがどの地域かは文書中には無いので不明だが、恐らくアジアが中心と予想する。

以上から、次の将来像が浮かんでくる。
・タイプとしては「シリコン薄膜・その他」系が伸びる。多結晶系は打ち止め。
・輸出先としては欧米以外の地域が伸びる。

統計は面白い。

 
QLOOK ANALYTICS