米国の太陽電池市場調査


米国の太陽電池市場調査

2009年11月04日

11月2日の朝日新聞サイト記事「2014年の太陽光発電累積導入量は2008年の約17倍--シード・プランニング調べ」から。

シード・プランニングは10月30日、太陽光発電に関連する米国ベンチャー企業30社の動向と、米国政府および州の助成状況などを調査したレポート「太陽光発電ベンチャー企業動向」を発表した。レポートは6月から9月、各社の公開データとそのほかの関連公開データをもとに作成されている。

レポートによると現在、米国での太陽電池の製造技術は、ナノテクノロジを利用した「CIGS太陽電池」と「有機薄膜太陽電池」が主流という。中でも有機薄膜太陽電池は、Konarkaが2009年末より販売を予定しており、発電機能を備えたシェード(窓装飾)の製品化が見込まれている。有機系太陽電池はアプリケーションが課題となっており、今後のKonarkaに注目が集まるだろうと、シード・プランニングでは分析している。

また、世界的にもビルの壁面や屋根などと一体化した太陽電池「BIPV(建材一体型太陽電池)」の市場性が見込まれており、米国ではBIPVを開発する企業に対して国や州、ベンチャーキャピタリストから多くの投資が寄せられているという。

このほか、カドミウムを用いた安価な「CdTe太陽電池」を製造するFirstSolarは2008年、世界シェア2位を占めた。2009年9月には中国に2000MW規模の発電設備を建設するなど躍進は続いているという。一方でCdTe太陽電池の市場全体では、FirstSolarのような成功事例が見られず、市場性にはまだ課題があるとしている。

シード・プランニングによると、米国では2014年太陽光発電の累積導入量が2万153MWにのぼるだろうと分析している。これは、2008年の導入量(1173MW)の約17倍となる予測だ。(C)朝日新聞

シード・プランニングは市場調査会社。各種市場調査を行いそのレポート販売を主業務としている会社のようだ。上記朝日新聞の記事は、同社の10月30日発表のプレスリリース「「米国太陽光発電ベンチャー企業動向」を調査」による記事のようだ。このレポートの販売価格は126,000円と高価だ。朝日新聞が同レポートを購入したか、プレスリリースだけで記事を書いたかは不明だ。以下、主に同プレスリリースから引用する。

このレポートの最初の要点は、「CIGS太陽電池や有機薄膜太陽電池の研究開発を行うベンチャー企業が数多く登場」だ。朝日新聞の記事では"レポートによると現在、米国での太陽電池の製造技術は、ナノテクノロジを利用した「CIGS太陽電池」と「有機薄膜太陽電池」が主流"と書いてあるが、このプレスリリースではそのようには書いていない。「ナノテクノロジーを利用したCIGS太陽電池や有機薄膜太陽電池の研究開発を行うベンチャー企業が多く登場」と書いてある。まだシリコン系太陽電池が主流のいま、いくら米国が未来志向とはいえCIGS太陽電池や有機薄膜太陽電池が主流という朝日新聞の記事内容は誤りのように思う。

それはともかく、CIGS太陽電池は課題の量産対応のためNanosolar、Heliovolt両社では印刷技術が応用されている、とのこと。また有機薄膜太陽電池は、Konarka社が今年末に販売開始を予定しており、発電機能つきのシェードなどの製品化が見込まれている、とのことだ。

次の要点は「FirstSolarがCdTe太陽電池で一躍世界シェア2位(2008年)に」だ。中国のメガソーラーシステムを落札する、などFirstSolar社は急伸している。なおFirstSolarの特徴はカドミウムを用いた安価なCdTe太陽電池だ。ただカドミウム公害に苦しんだ日本はカドミウムを用いた太陽電池には抵抗があるので日本では伸びないと私は予測する。

次の要点は「BIPV(建材一体型太陽電池)の市場性に期待感」。日本ではこの分野ではまだまだだが、米国ではこの分野の成長が見込まれているようだ。

最後の要点は「2014年の太陽光発電累積導入量は2008年の約17倍の20GWと予測」。これは米国の予測だ。

ということで、米国ではベンチャー企業が新しいタイプの太陽電池の製品化で急成長していることがわかった。日本のメーカーは大丈夫だろうか。

 
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