米国のスマートグリッド整備予算


米国のスマートグリッド整備予算

2009年10月29日

当ブログの10月5日記事「太陽光発電の普及と送電網の整備」の中で、太陽光発電の普及には送電網の整備が必須であることを書いた。またその記事中の引用記事の中で、米国の話題として
「オバマ大統領の7870億ドルの景気刺激策のうち、送電網の拡大に充てられるのは、今後2年間でわずか60億ドル。国内の送電網を完全に改修するためには、向こう10年にわたり毎年130億ドルが必要だ。予算はその5%にも満たない。」
とあった。今日の話題は米国の送電網整備の予算についてだ。時事通信社サイトの10月28日記事「次世代送電網に3000億円超=エネルギー効率化へ最大規模投資-米大統領」によると、次のとおりだ。

オバマ米大統領は27日、フロリダ州で演説し、次世代送電システム「スマートグリッド(賢い電力網)」整備促進など34億ドル(約3100億円)のエネルギー効率化計画を発表した。総額7870億ドルの景気対策法の一環で、電力網整備への投資では過去最大の規模。大統領は「(送電システムに)100年前の技術が使われていることで、あまりにも多くのエネルギーとコストを無駄にしている」と述べた。

IT(情報技術)を駆使して電力需要を細かく制御し、太陽光発電など再生可能エネルギーの円滑供給を目指すスマートグリッドは、オバマ政権が掲げるグリーンニューディール政策の柱。計画には、冷房やテレビなど家電を無線ネットワークで結ぶなどし、家庭の電力需要を細かく制御する「スマートメーター」の普及促進や、送電システム、電力機器の仕様共通化を盛り込んだ。(C)時事通信社

状況はほとんど変わっていないようだ。10月5日引用記事では、米国送電網整備の予算は2年間で60億ドル。とりあえず年間30億ドル、とする。今日の引用記事では、この予算額は34億ドル、だ。ちょっと増えただけ。

10月5日ブログ記事を読めばわかるとおり、米国の送電網はかなり古く整備が急務だ。フレキシブルな送電ができず、供給の乱れで停電が起こる状況のようだ。太陽光発電の場合は、日中しか発電しないうえ、日中でも天候の影響を受ける。電力供給の多くの割合を太陽光発電に頼るようになると、電力不足地域へ過剰地域からのフレキシブルな送電が必須となる。それが「スマートグリッド(賢い電力網)」だ。前回記事では、そのような送電網整備に"向こう10年にわたり毎年130億ドル"というとてつもない金額が必要だ。が、実際にはその金額には遠く及ばない。米国においては太陽光発電普及の代償として安定供給のため原子力発電がメインとなるような危惧がある。結局はクリーンエネルギーではなくなってしまう恐れが大だ。

 
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