フィルム上太陽光パネルを使った、水に強い太陽光発電による電源装置


水に強い太陽光発電による電源装置

2011年05月21日

読売新聞サイトの5月18日記事「水に強い太陽光発電開発…兵庫」を引用する。

新エネルギー開発を目指す兵庫県内の中小企業などでつくるNPO法人「ワット神戸」(神戸市中央区、渡辺泰之理事長)が、防水仕様のフィルム型太陽光発電装置を開発した。(中安真人)

阪神大震災当時の教訓をヒントに3年前、原型となる装置を開発。一般向けにはほとんど売れなかったが、技術力に着目した大手商船会社が「海難時に使いたい」と打診し、改良を加えた。福島第一原発の事故で、自然エネルギーへの関心が高まる中、東日本大震災の避難所にも届けるという。

同法人は、「県中小企業家同友会」の会員や電機メーカーなどが、自然エネルギーの活用を目的に2003年に設立し、現在、27社が加盟している。

メンバーの大半が、阪神大震災を経験。当時、停電の影響で電化製品が使えなかった教訓から、「いつでも使える電源」の開発に着手し、太陽光発電に着目。世界的な先進地であるドイツ・フライブルク市への視察なども行った。

厚さ5ミリのフィルム型の太陽光パネルを用いた1号機は08年に完成し、「e―Pot(イーポット)」と名付けられた。100ボルト(AC)と12ボルト(DC)の電源のほか、USB端子やシガーソケットなども装備。丸めたパネルと鉛蓄電池は取っ手付きのケース(長さ16センチ、幅54センチ、高さ30センチ)にコンパクトに収納でき、重量も6キロにとどめて容易に持ち運びできるようにした。

斬新なアイデアは業界では注目されたが、具体的な使途が不明確だったのか、18~20万円という価格が高すぎたのか、販売では大苦戦。木目調のデザインを取り入れた改良版も作ってみたが、結局、十数個しか売れなかったという。

しかし、昨年夏、製品を知った大手商船会社の社員から「海難時に使用できるタイプが欲しい」という相談が寄せられた。救命艇に積み込んで、国際電話機器や全地球測位システム(GPS)装置などを使うために重宝するという。メンバーは「防水仕様版を作れば、海や川でのレジャーでも使える」と考え、さっそく製作に取りかかった。

神戸市の補助も受け、昨年末に完成した製品は「e―Pot・marine」と命名。従来の鉛蓄電池より高性能のニッケル水素電池を採用したほか、本体を収めるパイプ形のケースは塩化ビニールとし、海に落としても浸水せず、沈む心配もないという。重量7・2キロで、価格は20万円。

福島第一原発の事故後、環境に優しい自然エネルギーの活用を求める議論が高まりつつある。NPOは近く、「e―Pot・marine」2基と、別に開発した風力発電装置5基を被災地に送る予定だ。

同法人の池田昭夫さん(69)は「小規模な避難所では電源が安定していないと聞いている。復興に役立てると同時に、学校の教材などとしても活用してもらい、自然エネルギーへの関心を高めてもらえれば」と話している。(C)読売新聞

まるで最近の朝日新聞の記事のように非常に冗長な記事だ。冗長な内容なのに、非常に大事な情報である太陽光発電パネルのタイプ、出力や蓄電池の能力について書かれていない。論理能力の無い記者が書いたのだろう。(冗長な記事の見本ともいえるレベルなので全文引用した。)

水に強い太陽光発電電源装置を開発したのは、NPO法人ワット神戸。海難時にも使える想定で開発された。全体は塩ビ管のパイプで、折りたためる太陽光発電パネルとニッケル水素蓄電池が格納され、重量は7.2Kg。海に落としても浸水せず、沈まない製品だ。

非常にユニークな製品なのでさらに情報が知りたく、開発したワット神戸のホームページを探したが、この製品のみならず元になった旧製品の情報すら無かった。新聞にも報道された製品がホームページに存在していないとは、大変残念だ。

さてこの太陽光パネルはどのようなタイプなのだろうか。引用記事には「フィルム型の太陽光パネル」としか書かれていない。製品の画像をみると、太陽光パネルを5つの部分に折りたためるように見える。そしてそれを丸めて塩ビ管の格納容器に収納するのだろう。開発元のワット神戸のサイトには、同組織が開発した「色素増感型太陽電池」について書かれている。色素増感型太陽電池なら、印刷技術を使って任意の物体の表面に太陽電池を作成できるので、フィルム状の曲げられる薄膜のうえに太陽電池を装備したものだろう。色素増感型太陽電池は未来技術の一つなのでまだ変換効率はかなり低いはずだ。ただ、フィルム状にして折れ曲げることを優先したのだろう。そうはいっても、この画像を見る限り出力はかなり小さいはずだ。

残念ながら太陽光発電を利用した電源装置としては能力は低そうだ。なのに価格は約20万円と、安くは無い。海難用など、水周りに特化した付加価値を付けた価格、と言えそうだ。

 
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