太陽光発電の全量買取制度


太陽光発電の全量買取制度

2009年11月02日

10月31日朝日新聞サイトの記事「太陽光発電、全量買い取りへ 来年度、菅副総理が方針」から一部を引用する。

菅直人副総理兼国家戦略相は31日、家庭の太陽光発電で生じた電力を電力会社がすべて買い取る「全量固定価格買い取り制度」を来年度から導入する考えを示した。太陽光発電については、今月1日から余剰電力を電力会社が現在の2倍の価格で買い取る新制度が始まるが、これを全量に広げる構想だ。

太陽光発電の一層の普及を図り、地球温暖化対策を進めるのが狙い。ただ、電力会社は現在、1年間の買い取り費用を翌年度の電気料金に上乗せして回収している。余剰電力買い取りで、経済産業省は11年度、標準家庭で月平均30円程度負担が増えると試算したが、全量買い取りになればさらに上乗せ額が増え、太陽光パネルを設置していない国民の負担は大きくなる。

菅氏は31日、東京都内での講演で、「来年度からやろうと思っている。(国が)1円も金をかけないで太陽光パネルがばっと増えるやり方がある。全量固定価格買い取り制を決めればいい。(パネルを設置した家庭が)1キロワットあたり50円で(電力会社に)売り、キロワット当たり20円で(電力会社から)買ってくれば30円得する」と語った。

温暖化対策として、鳩山由紀夫首相は、温室効果ガスを90年比で25%削減する中期目標を打ち出し、内閣では菅氏が責任者。太陽光発電について民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で、「再生可能エネルギーの全量買い取り方式を早期に導入する」としていたが、導入時期は明示していなかった。

余剰電力の買い取りは、7月に成立した「エネルギー供給構造高度化法」に基づく。同法には施行2年後の見直し規定があるが、全量買い取りを電力会社に義務づけるには新たな措置が必要だ。新たな国民負担への理解とともに、天候によって発電量が変わるなどの課題もあり、来年度に導入が間に合わない可能性もある。
(C)朝日新聞

昨日11月1日から、太陽光発電による余剰電力の固定価格買取制度が始まった。ただしその制度は余剰電力が買取の対象だ。太陽光発電システムで発電し、家庭で消費した電力を差し引いた分だけを電力会社に買い取ってもらう制度。これに対し、民主党はマニフェストで、「再生可能エネルギーの全量買取」政策を約束していた。これは、太陽光発電以外のすべての再生可能エネルギー発生システムの電力を、余剰電力ではなく全量買い取る、というものだ。そしてその全量買取の時期は、同マニフェストでは明示されていなかった。

その全量買取の開始時期は来年度、と菅副総理が講演した、という記事が今日の引用記事だ。

この政策を実行すれば、太陽光発電システムを設置してその元を取る(設置費用を回収)するまでの期間が短縮されるため、太陽光発電システム設置の推進に大きく寄与することは間違いない。ただ、光があれば闇もある。

その全量買取のための資金は電力使用者全員で支払う、ということが一つ。いまの余剰電力買取制度では数年後に1ヶ月あたり100円程度の電力料金上乗せを全家庭で支払う、という見通しがあるが、全量買取となるとその金額は膨れ上がる。その試算は聞いていないが、その上乗せ価格が高くなればなるほど、太陽光発電システム非設置家庭の不公平感は強くなる。そうなると、いまのNHK受信料のように、太陽光発電システムの非設置者がその上乗せ分の支払いを拒否し裁判、という事態も考えられる。

ある政策のためにその費用を全家庭が負担する、ということは、これはほとんど「税金」だ。上記菅氏の発言の、「(国が)1円も金をかけないで太陽光パネルがばっと増えるやり方がある。全量固定価格買い取り制を決めればいい。」は違う。このような政策は、税金で、それも広く浅くの消費税方式でやるべきことだ。

さもなければ、太陽光発電設置者と非設置者で、上乗せ負担額を変えるやり方も有効だ。受益者たる太陽光発電設置者は非設置者より多くの負担金を払うべき、という考え方だ。

消費税方式か、太陽光発電設置家庭と非設置家庭で、上乗せ負担額を変えるか、どちらかにしないと非設置者の反乱が始まるだろう。

 
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