風力発電の買取価格は半減


風力発電の買取価格は半減

2009年11月06日

このブログは太陽光発電に関するブログで、太陽光発電を推進する立場にある。もちろん有用な再生可能エネルギーであれば太陽光発電に限らずすべてを推進すべき、というスタンスであり、これは言わずもがなと思っていた。しかし、国や企業の考えることはそうではないようだ。読売新聞サイト石川県版10月31日記事「風力発電買い取り額半減 発電機業界、不満の声」から一部を引用する。

太陽光発電の余剰電力を、電力各社が従来の2倍の金額で買い取る制度が11月から始まる一方、風力発電の余剰電力買い取り金額は、これまでの半額程度になる。新制度の狙いが「太陽光支援」で、他のエネルギーは対象外となるためだが、小型風力発電機業界からは「太陽光と風力で扱いが違うのはおかしい」と不満の声が上がっている。

北陸電力では現在、太陽光や風力発電の余剰電力を、電気料金と同額(北陸電力は1キロ・ワット時あたり平均23~24円)で買い取っているが、新制度では、太陽光発電の余剰電力は同48円(住宅用)に引き上げる。太陽光と風力併用の場合は、風力で発電した電力が太陽光発電側に「逆流」しない装置を付ければ、39円で買い取るという。

一方、電力各社は、現行の「電気料金と同額買い取り」を廃止し、風力発電は、これまでの半額となる「十数円」に下げるとしている。北電は「太陽光発電分をさらに高額で買い取るため、そのほかはやめるという判断。国の施策に従っている」と説明する。ただ、現状では、北電管内で風力発電による買い取り対象者は、ほとんどいないという。

小型風力発電機を製造する「ニッコー」(白山市)によると、電力会社から現行の買い取り制度の中止について連絡を受けたのは今月下旬だといい、「寝耳に水。個人向け風力発電機の販売に力を入れようとしていた矢先で、出鼻をくじかれた」と憤る。同社の金田滋一常務は「業界を通して、同じ自然エネルギーとして、支援を要望していく」と話している。(C)読売新聞

10月末までは、電力会社は太陽光発電による余剰電力を通常の電力使用料金と同一価格で買い取っていた。風力発電の場合も同様である。しかし11月からは、いままでのほぼ倍の48円/Kw時で買い取るようになった。ここで問題が発生した。

問題は2つある。ひとつは、太陽光発電と風力発電の併用の場合だ。このブログの10月6日記事「固定価格買取制度は太陽光発電のみ対象」で、この高値買い取りは太陽光発電のみが対象なので、太陽光発電と風力発電を併用する場合は風力発電による電力と太陽光発電による電力を切り離す必要があることを書いた。その時点では、高価な切り離し装置を取り付ければ太陽光発電による余剰電力は同額の48円/Kw時で買い取ると考えていた。しかし実際は違った。上記引用記事によれば、北陸電力の場合は、その分離装置を付けても太陽光発電による余剰電力買取価格は48円/Kw時より9円も安い39円/Kw時なのだ。篤志家が太陽光発電と風力発電の両方を設置したうえ、高価な電力分離装置を購入・取り付けまでしたのに、その太陽光発電余剰電力買取価格は安いのだ。これは全く説得力の無い、極めてナンセンスな価格設定だ。

もうひとつ、さらに大きな問題がある。それは、風力発電の買取価格は、11月以降、今までの同一価格から10数円にまで、つまり今までの半額にまで下げる、ということだ。

引用記事中の北陸電力のコメントは「太陽光発電分をさらに高額で買い取るため、そのほかはやめるという判断。国の施策に従っている」とのこと。そもそも太陽光発電分をさらに高額で買い取るための原資は、広く一般家庭から徴収することになっているではないか。あたかも電力会社が負担しているような発言は消費者を惑わす虚言だ。かつ、国・民主党の政策は太陽光発電一辺倒ではないはずだ。電力買取が太陽光発電以外の再生可能エネルギー全般になる方向に政治が進んでいることは明らかにもかかわらず、それを無視して自社の利益を上げようとする電力会社の姿勢には強い疑問を持たざるを得ない。

 
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