風力発電と太陽光発電の経済性比較


風力発電と太陽光発電の経済性比較

2009年12月20日

このブログの12月13日記事「風力発電が進展しないワケ」で、風力発電には低周波騒音、バードストライク(風車への鳥の衝突)、景観の3つの問題があることを書いた。また12月16日記事「風力発電の風車に天然記念物オオワシが衝突・分断」ではそのバードストライクの例としてオオワシが真っ二つに分断された例を書いた。これらは風力発電のダークな部分だが、今日の話題は風力発電の陽の部分、経済性の良さについてだ。毎日新聞サイト西部版の12月16日記事「風力発電所:長崎・五島に完成 九電工、来春通常運転へ」によると次のとおりだ。

九電工は15日、長崎県五島市に建設していた「五島玉之浦風力発電所」が完成したと発表した。既に試運転を始めており、来春には通常運転となる見通し。

風力発電所は五島市玉之浦町に約39億円をかけて建設した。九電工グループの風力発電設備としては5カ所目となる。風車7基で総出力は1万4000キロワット。年間想定発電量は3万7675メガワット時で約1万1000世帯分の電力量がまかなえる。二酸化炭素は全電源平均に換算すると、年間1万4200トンの削減効果があるという。発電した電力は九州電力に販売する。(C)毎日新聞

この新風力発電所の出力は1万4000キロワット、つまり14メガワットだ。もしこれが太陽光発電なら国内トップクラスだ。そして総工費は39億円。ということは、39億円を1万4000キロワットで割ると、1キロワット当たりの工費は約28万円となる。太陽光発電は、家庭用なら1キロワット当たり50万~70万円、メガソーラークラスなら家庭用よりは少し安いが、この風力発電の設置費用にはとても太刀打ちできない。なるほど、出力1キロワット当たりの設置費用という観点から見ると、大規模発電所なら風力発電のほうが約倍ほど有利なのだ。

さてこの風力発電は上記のとおり出力は14メガワットだ。もし14メガワットの太陽光発電所があると仮定すると、年間発電量は約1万4000メガワット時だ。ところがこの風力発電所の年間発電量は、3万7675メガワットと、太陽光発電の約2.7倍の発電量なのだ。太陽光発電は太陽の照っている日中のみの発電だが、風力発電はある程度の風が吹いていれば一日中発電可能、という差が出てくるのだろう。

ということで、大規模発電所の場合は太陽光発電よりは風力発電のほうが経済性に優れていることは数字から立証された。

しかし、ここは声を大にして言わなければならないが、低周波と景観対策のため風力発電所を洋上に設置したとしても、バードストライクの問題の根本的解決がなされるまでは、風力発電は積極的に展開すべきではない、と私は考えている。

 
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